行き詰まった時は、戻ろう。螺旋的発展のときかもしれない

noteの投稿で、螺旋的発展の記事を見ました。

螺旋的発展を提唱したのは哲学者のヘーゲル。
「物事は、円を描くようにぐるっと回って同じところに戻ってくるが、以前よりは高い位置に戻ってくる。螺旋状に発展してゆくのだ」
という考えのこと。実感がありますね。

・改善的進歩はやがて行き詰まる

この、グルっと回ってくる感じは、覚えがあります。
少し前に武道の形稽古について書いたのですが、

「個人的な経験から言うと、同じ型をしばらく稽古していると、やがて発見が少なくなる時期がきます。
その時は、別の型をしばらく稽古する。そのあとで元の型にもどってくると、感覚が磨かれるのか、新しい発見ができるようになっています。」

上達してゆくときのコースは、決して一本道ではありません。
大抵の場合は途中で行き詰まり、伸びなくなるときが訪れます(高原状態、プラトーとも言う)。
同じことを繰り返していても、そこからの収穫がなくなってしまう。

・戻れるようになる条件

物事の進歩は、改善の繰り返しと、視点を変えたブレークスルーの繰り返しです。

仕事でもスポーツでも、繰り返して練習しつづければ、少しずつ上達してゆきますね。でも、あるところで限界がやってきます。改善すべきところをし尽くしてしまうんですね。

そういう時、全く視点を変えたブレークスルーが起きると、また発展の余地が生まれて改善を続けられるようになります。もちろん、しばらくするとまた頭打ちになり、ブレークスルーが必要になります。

同じことの繰り返しに見えますね。
でも、違います。

新しい場所では、新しい経験をして、視点も技量も変わっています。その目で元の場所を見ると、それまで見えなかった物が見えてくるのです。

螺旋的発展は、自然に元の場所に戻ってくるわけではありません。
別の経験をして、自分自身の持っている目が変わったときに、元いた場所に戻ってこられるのです。

・行き詰まったときは、還るときかもしれない

私の仕事はマッサージ(筋膜リリース、関節リリース)ですが、やっぱり同じ事が起きます。あるところから、発見がなくなる時があるのです。

そんなとき、もういらないと投げ出していた技術を見ると、また新しい発見があったりします。気が付かない間に、自分自身が変化して、新しい視点が生まれていたのでしょう。

もし今、行き詰っているなら、一周回って、もとのところに戻る準備ができたときなのかもしれませんよ。

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