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武術・武道の足、つま先で踏む? 踵(かかと)で踏む?
武術関係の足運びでは、どこで地面と接するかが大事ですね。
・つま先で踏む? 踵で踏む?
現代剣道ではかかとを浮かせておくことが多いですね。
一方で、宮本武蔵の五輪書では「爪先を少しうけてきびすを強くふむべし」(つま先を浮かせ、かかとを強く踏む)と書かれています。
どちらが良いのでしょうか?
つま先で踏むのと、踵で踏むことの最大の違いは、アキレス腱が関わるかどうかです。
・アキレス腱はバネ
アキレス腱は、弾力のある繊維質でできていて、バネとして作用します。地面を蹴るときにその力を蓄え、あとで放出するので、歩く時のエネルギー消費を減らしています。
このアキレス腱が活躍する場の1つが、ジャンプ。
人間が地面を蹴る速度に加え、アキレス腱がバネとして加速を付け足すので、遠くへ飛ぶことができます。
ホッピングやトランポリンのバネのような働きですね。
・バネにはタイムラグが有る
ホッピングやトランポリンでジャンプするとき、最初の力はバネに吸収されますね。バネは、後で放出するためにまず力を溜め込まなければならないのです。
かかとを浮かせてアキレス腱を使う場合には、踏み込んでから飛ぶまでが一拍遅れてしまうのです。
ふくらはぎの筋肉を固め、アキレス腱を張り詰めさせておく方法もありますが、負荷をかけているところにさらに負荷をかけるので、アキレス腱断裂のリスクがあります。
一方の踵は、ほぼ足の骨に直結しているような構造。蹴る力を吸収する部分は少ないです。
・遠くへ飛ぶか、タイムラグを減らすか
この選択は、どんな戦い方をするかによって変わります。
遠くから一気に飛び込むなら、多少のタイムラグがあってもかかとを浮かせてアキレス腱を使うのが有利です。
移動距離は少なくても、早く動きたい場合には踵を着いている方がいいことになりますね。
五輪書で踵を強く踏むことを推奨した宮本武蔵は、相手の剣をスレスレでかわす見切りの達人だったという伝承が残っています。
ここから、大きく飛ぶよりも早く正確に動くことを重視して、踵を使っていたのではないかという推論ができますね。
長所即短所という言葉がありますが、足の使い方にも言えるようです。
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