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腕を掴まれたら、手を開いて対処する…腕の中で筋肉が動く件について

合気道や護身術では、手を掴まれた時に「手を開いて対処するように」と教えられます。
一般的には、手を開くことで手首が太くなり、相手がつかみにくくなるのが理由と言われています。

その他、手を開くやりかた次第では相手の感覚に干渉することもできます。

・手を開くと腕の中が動く

指を動かす筋肉の多くは、前腕部にあります。つかまれた状態で手を開くと、手首の甲側にある伸筋は肘の方へ、掌側の屈筋は手先側へと、わずかに移動します。
皮膚の中の話なので、ごく小さい動きなのですが、人間の感覚はそのズレを感じ取ります。

一例として。
手首の甲側からつかまれたとき、軽く押し込むようにしながら指を開きます。このとき、つかんでいる人の手のひらには筋肉の動きが感じられ、手をすり抜けて腕が入ってくるような錯覚が生じます。
その一瞬、正確なつかみどころを見失って抑えが弱くなりますので、技が効きやすくなるのです。

・動かし方のコツ

この方法のコツは、動かし始めながらゆっくりと指を開くこと。開ききってから動くのでは、通常の効果しかありません。また、幅広く開くよりも、指先を反らす感じの方がやりやすいようです。

ちなみに、指を一度に開くのではなく、順番に開くようにすると、親指側、小指側で違った効果が生じます。方向性のあるすり抜けが起こるので、合気上げのときなど面白いです。

(初出2022.12.21)

八起堂治療院ホームページ



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