見出し画像

僕らはSNSでモノを買う【とんでもないSNSの可能性】

あなたは、「モノを買うのに迷った時」何を参考にしているだろうか。

例えば

・新調したい家電製品をどれにするか迷っている時
・評判で気になっている本を買うかどうか迷っている時
・行ってみたい飲食店に行くかどうか迷っている時

人はコトの大小を問わず、1日に35,000回の決断をするという。

だが、この決断をするにあたって必然的に生まれるプロセスがある。

迷うだ。

例えば上記に述べた内容について、どうして我々は迷ってしまうのだろうか。

それは、「買う前の段階では、自分で実体験をすることができない」からである。

あなたはこんな経験がないだろうか。

・価格につられて買った家電が、驚くほどポンコツだったこと
・ジャケ買いした本が、内容そっちのけの自分語りの本でゲンナリしたこと
・ノリで入った飲食店が、会話の話題にすらできないほど普通だったこと

このような失敗はなぜ起きるのか。

要は「リサーチ不足」である。

だがしかし、リサーチというのはかくも面倒くさい

少なくとも私はそうだ。

そんなリサーチが面倒くさい人のために産声を上げたのが、口コミをまとめたり商品情報を比較したサイトであろう。

・家電を探すときに見る価格比較サイト
・本を探すときに見るアマゾンの商品レビュー
・飲食店を探すときに見る食べログのレビュー

これらのサイトを見て、商品レビューの上の方の星の数平均点が高かったら、まあ大丈夫かなと思って買ってみたり、星が低いが建設的な批判レビューを読んだら、購入を控える貴重な情報源として活かすことができる。

これらの情報比較サイトは、買い手には非常に便利ではあるが、売り手にとって、ある弱点がある。

この商品を買いたいと思って検索する人しか使われない

のだ。

すなわち、「顕在化している顧客」しか相手に出来ない。

それを少子高齢化の時代、それではいかん!

と本書

は喝破する。(やっと文字通り本題に入った)

検索ワードを争うライバルが増えるほど、SEO対策やリスティング広告は難しくなる

とも喝破する。

※SEO対策…Google先生等で検索かけた時に、上の方に出てきてもらう対策
※リスティング広告…yahooとかスマホサイト見てたらベンと出てくる広告

本書いわく、

・世の中には、年間130兆のウェブページがある
年間検索数
 →1年2兆回
 →1時間2億2800万件
 →1分380万件
 →1秒6万3000件

もあるのだから驚きだ。

早い話が、「椅子取りゲームの参加者めっちゃ増えたから、椅子の取り合い大変だよ」ってことだ。

じゃあこれからの売り手は、どうやって物を売っていく方法があるのだろうか。

すなわち本書のタイトルどおりである。

SNSでモノを買う」消費者がいるということは、「SNSでモノを売ればいい」のだ。

本書は、「SNSでモノを売る」と、顕在化している顧客のみならず、買うつもりのなかった人まで顧客化することができるというのだ。

なぜか。

本書ではTwitterを主に取り扱っているが、例えばTwitterやnoteのフォロワーさんが、「この本よかったよ~」とか「イベントやるよ~」とつぶやいたとする。

そしたらめっちゃ、フォロワーさんの紹介した本イベントが気になり始めませんか?

少なくとも私はそうだ。

尊敬していたり、趣味が近いフォロワーさんなら、なおさら。

いつしかなんの気なしに、フォロワーさん紹介本アマゾンでチラ見し始めたりスケジュール帳めくって、この日空いてるわ~と内心思ったり

それが本書のキーワードの1つ

UGC(User Generated Contents):ユーザーが作ったコンテンツ

である!

企業が打ち出す広告ではなく、ユーザーが自分の意志で投稿するコンテンツ

なのだ!

今まで語ってきたモノは、消耗品や日用品、書籍などのコンテンツもさることながら、イベントや体験をも包括されている。

なんか暇な休日だなぁって思いながらなんの気なしに開いたTwitterで、尊敬するフォロワーさんが近辺で今日イベントやるよ!って告知してたら行きたくなりませんか?

それあなた、そのイベントの顕在顧客じゃありませんでしたよね?

その日その時その場所で巡り会えてなかったら、行きもしないイベントでしたよね?

何も知らなかった人が気軽にイベントに来れる時代になった。

…これすごくないですか?

イベントやることを今日の今日まで知らない人すら、お客様になりうるSNSのUGCの可能性。

この売り方は、SNSがここまで普及するまではありえない売り方だ

無論そこに至るまでには、
・フォロワーさんへのリスペクト
・フォロワーさんに会うことへの安心感
・リアルで会ってみたいと思わせる人柄を感じさせるツイート

が欠かせないと思うのだが、モノの売り方をこちら側にかじを切ることで、顔が見えて安心感のある買い物や体験ができるようになるのではないか、と考えた。

例えば私は、「ポケットマルシェ」という、農家や漁師さんと消費者が直接やり取りして野菜や水産物を買うアプリを思い出した。

このアプリの何が素晴らしいというと、生産者の方から直接素晴らしい野菜や魚が届くだけではなく、消費者の側からも、料理した写真を掲載して生産者に「美味しかったです!」と伝えたり、他の人にも野菜をおすすめしたりInstagramやTwitterに写真をアップしたりといったやりとりが、自然発生しているのだ。

この形こそ、UGCの典型例であり、非常に人間的で温かみのある買い物の仕方と言えるのではないだろうか。

そしてこのポケットマルシェで自然発生したようなサイクルを本書の2つ目のキーワード

ULSSAS

と名付けている。

ULSSASとは、

UGC(ユーザーが作ったコンテンツ=口コミ)

Like(いいね!)

Search(SNSで検索)

Search 2(ヤフー、Googleなどで検索)

Action(行動・購買)

Spread(拡散)

この一連のサイクルである。

このサイクルの素晴らしさは、拡散フェーズまでたどり着いた人によって発信された情報を見た新しい人が、商品やサービスのULSSASの輪に加わって、商品のサポーターになることができる点だ。

何を隠そう、この私が今まさに、本書のUGCを作成し、ULSSASの輪に組み込まれてしまっているのが何よりではないか。

商品を購買する手段こそデジタルであるものの、購買に至るプロセスは、親しかったり尊敬した人による発信を自分で受信し、買うという決断に踏み切った点。

そこに、私は人のもっている温かみを感じたのだ。

本書は最後にこのように締めくくっている。

「色々な施策において、この時代に一番大事なことはなにか」
究極的には、
「いい商品やサービスを作り、それを評価してもらう」

そして私は、ポケットマルシェの代表取締役CEO高橋博之さんに言われた、一言を追加したい。

「お前だから買う、と呼ばれる人間になれよ」



参加される皆さんの好きを表現し、解き放つ、「プレゼンサークル」を主宰しています! https://note.com/hakkeyoi1600/circle ご興味のある方はお気軽にどうぞ!