朝の騒音

ある日、雨の音で目が覚めた。
人が寝てる時くらい、静かにしてほしい。

カーテンを開けて空をにらむと、
「しょうがないだろ、雨なんだから。」
そんな困った声がする。
「人が寝てようが、起きてようが、降る時は降るさ。」

まあ、そりゃそうだ。
自然の出来事なんだから、腹を立ててもしょうがない。
ちょっと眠いけど、仕方ない。
たまには早起きもいいだろう。そういうことにする。

ある日、人の声で目が覚めた。
インターホンの鳴る音と、ドアが開く音もした。
人が寝てる時くらい、静かにしてほしい。

布団から出て上の階をにらむと、
「しょうがないだろ。今が一番盛り上がる時間なんだ。」
そんな不機嫌な声がする。
「耳栓でもつけて寝ればいいでしょう。それで解決だ。」

まあ、それはそうだけど。
腹が立つのは何故だろう。人間の出してる音だからかな。
今日もまだ眠いけど、仕方ない。
上の人が言う通りに、あとで耳栓を買おう。

ある日、雷の音で目が覚めた。
かなり近くだ。爆発みたいな音がする。
人が寝てる時くらい、静かにしてほしい。

カーテンを開けて空をにらむと、
「しょうがないだろ、雷なんだから。」
そんな困った声がする。
「人が寝てようが、起きてようが、鳴る時は鳴るさ。」

まあ、そりゃそうだ。
人間じゃあないんだから、人に気を遣えるわけがない。
さすがに、こうも毎日早起きだと慣れてきた。
耳栓を外して、今日も一日を始めよう。

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