長く険しかった婚活の記録⑨【夫との初対面―だからやる気あんのか?―】
彼は同じ県内ではあるものの、私が住んでいる地域から車で2時間程かかる場所に住んでいた。
初対面は私が住んでいる地域まで来てくれて、私の知っているお店に行くことにした。
私は彼と会うことにちょっとした期待を抱いていた。
それはメッセージで良い印象を抱いたわけでも、共通の趣味があり会話が盛り上がると確信していたわけでもなく、ゲッターズ飯田さんの本に「今月運命の人と出会う」と書かれていたからだ。
私は基本的に占いを信じていない。
20代の頃は、占い好きの友だちによく当たると噂の占い師を教えてもらっては見てもらっていたが、いつしか気づいてしまった。
占い当たってたら、もうあたし5回ぐらい結婚しとるわ。
そう思ってから街の占い屋さんに頼ることはなくなった。
しかしゲッターズ飯田さんの本だけは、母親が好きで買ってくることもあり、ぼんやりと毎年読むようになっていた。
そしてこの先、私はこのゲッターズ飯田さんの本に度々救われることになる。
さて、初対面の印象はというと、可もなく不可もなし。
しかし食事をしながら話していると、メッセージでは聞いていなかった事実が発覚する。
彼は地元の関西の会社から出向で私の住んでいる県に来ていた。
つまり期間ははっきりしていないものの、ゆくゆくは関西に帰るのだ。
会話の最中、彼は何度もこう口にした。
「早く地元に帰りたい」
えっ、待って?
そんなに帰りたいなら、ここで彼女作る気なくない?
てか、そう思ってても口にする?
やる気あんのか?
私は小さな怒りを覚えた。
しかし、それと同時に彼にもっとこの地域の良さを知ってほしいという、謎の地元愛を燃やしていた。
いつしかゲッターズ飯田さんの言葉も忘れ、私の目標は彼と付き合うことではなく、彼にこの地域の良さを知ってもらうことに変わっていた。
次回は【彼に感じた不思議な気持ち】について書きたいと思います。
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