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工学は総合格闘技に似ているという話

 私が工学系の大学院に在籍していた頃、周囲では「工学は総合格闘技に似ている」という話がありました。私は総合格闘技に詳しいわけではありませんが、その話の意味するところは何となく理解できます。

 工学では社会の課題を解くために、数学、物理学、統計学、計算機科学、社会学、英語、歴史などの様々な分野を学ぶ必要があります。社会学や歴史というと意外に思われるかも知れませんが、社会の課題を解決するためには課題の背景にある知識を順序立てて理解する必要があるため、このような科目も無視することができないのです。このように工学では学ぶことが多岐に渡るという意味合いで、冒頭に述べた「工学は総合格闘技に似ている」という話があるのでしょう。

 一方、デジタル大辞泉によると総合格闘技は、「パンチやキックなどの打撃技のほか、関節技や投げ技、寝技など、あらゆる格闘技の技術を総合的に使って勝敗を争う格技」とあります。

 総合格闘技では格闘技の技術を総合的に使うのに対して、工学では上述したような多岐に渡る学術分野の知見を総合的に使います。そして最終的に、総合格闘技では勝敗を争うことが目的に対して、工学では社会の課題を解くことが目的になります。このように比較すると、たしかに「工学は総合格闘技に似ている」という話は何となく理解できますね。

 

 


 

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ハカセさん
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