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人生で約10回ほど引っ越してしみじみと思うこと

 私は人生で約10回ほど引っ越した経験があります。引っ越し先によっては3ヶ月未満で退去したこともありましたし、引っ越し先によっては国外もありました。そして来月にも新しい場所へ引っ越す運びになり、本日はテニススクールの解約に関して、親しくしてくださっている受付の方にお伝えしなければなりませんでした。その方は私と同様にとても残念そうにしてくださり、本日は引っ越しに関してしみじみと思うことがありました。

 過去の引っ越しでは後ろ向きな理由と前向きな理由があり、今回は前向きな理由で引っ越すことになります。そしてどちらにせよ、引っ越しには後ろ向きな効果と前向きな効果があります。

 まず、引っ越しをすることで生じる後ろ向きな効果は、冒頭に述べたように親しい人たちとの別れがあります。私が子供の頃に比べれば現在はSNSなどが発達したので、人とのつながりが切れなさそうな錯覚に陥ります。ところが、普段会わない人たちとSNSでつながり合うことは意外にも努力を要することですし、やはりお互いに近いところにいて普段から直接会えるからこそ、人間関係は継続するものなのだと今までの経験を通じて理解しました。そして親しい人たちとSNSでつながっていたとしても、果たしてどのくらいの人たちと以前のように会えるのでしょうか……私が以前のように会える人たちは残念ながら限られています。以前のように会える人たちは特に親しい関係にありますが、ほどよい距離感にあった親しい人たちとは引っ越すと会うことが難しくなってしまいます。ほどよい距離感にあった親しい人たちは、後で振り返ると普段の生活を彩ってくれた大切な存在だったのです。

 一方、引っ越しをすることで生じる前向きな効果は守備範囲が広がることです。ここで述べる守備範囲とは、移動する際に精神的な障壁が感じない場所を意味しています。誰しも慣れ親しんだ場所には気楽に行けますが、そうでない場所には行きづらい傾向があるかと思います。例えば新しい飲食店に入るよりも、慣れ親しんだ飲食店に入る方が気楽に感じることに似ています。つまり、過去に住んでいた場所は慣れ親しんだ地なので、その場所へ移動することは精神的な障壁が感じづらく自分の守備範囲になり得ますが、そうでない場所は慣れ親しまない限り自分の守備範囲にはなり得ないのではないでしょうか。人生の視野を広げるために旅行が勧められますが、旅行にはこのような守備範囲を広げる効果がきっとあるのでしょう。ただし、実際に住むことで旅行では知り得ない経験を積むことになるので、実際に住む方が守備範囲は広がりやすいはずです。

 「人生には別れはつきもの」と割り切れるほどに人生が単純だとは思いませんが、引っ越しをすることで視野が広がることは確かです。過去の引っ越しを通して誰かと別れた分だけ新しい誰かと付き合えましたし、自分自身の守備範囲が広がることで精神的な障壁がなく様々な場所へ出掛けられます。住む場所に関してはさらに述べたいことが多くありますが、今回はこの辺りで筆を置くことにします。

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ハカセさん
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