介護業界からの撤退 ~職員定着率を上げるには?~
この度、8月度から製造業に17年ぶりに戻る事になりました。
家族とも何回も話し合い、ハローワークの職員さんにも何度も面談をしていただき最終的に介護職からの撤退を選択しました。
転職の理由として、傾斜業界である事が一つ。
現状は団塊の世代の方が全員後期高齢者になるにつれて入所する施設の数が足りていないなどの懸念もあります。
しかし10年後を考えると後期高齢者に対する医療の消極的姿勢が顕著になると見込んでおり、施設に入らずに在宅での見看りが多くなり、資金力のない介護施設は淘汰されていくと予想しています。
そして今後の介護業界は老人介護から障害者介護に舵をきる時代が来ると予想しています。
障害者介護施設の需要は増えていると感じています。
理由として、親世代の高齢化により障害者グループホームなどの利用が増えてくると感じているからです。
昔に比べて精神科や心療内科に通院する事が寛容になってきています。
仕事で精神疾患なってしまった人、職場のストレスチェックで産業医に精神科で診察するように言われた人が通院をする事が多くなりました。
将来の計画がとん挫してしまい、家にひきこもってしまった人が社会復帰に向けて精神科や心療内科に通院を始めた人が自立のために精神障害者の申請をして手帳を交付してもらい、親からの自立のために障害者グループホームや障害者シェアハウスを利用している人も私の周りでも沢山います。
更に多動性の障害のある子が青年期に達してきた時に、親が面倒を見切れなくなり、共倒れする前に障害者介護施設を利用するケースも増えてきているように感じます。
老人介護の業界の職員さんは生活もかかっているので、より良い給与条件の施設を探して移籍していっているのが現状です。
お局問題も私のnote.でも書かせていただいた事があります。
給与をもらうためにはまずは継続の勤務が必要です。
そして新しく入職された職員には施設に少しでも早く馴染んでもらうための教育が必要になってきます。
新たに入職をするにあたり失敗をする人の共通点として…
・前の施設の業務内容を引きづっており、教育をしても「前の施設は…」という言葉ばかりで教育どころではない状態を作り出す
・老人介護業界の経験が長い事を鼻にかけ、知ったかぶりをする
・介護の勉強どころか人間関係の構築すらできない人が増えた
要するに、プライドだけで何とかなるという新人が多くなっているという事も職員が定着しない要因になっています。
今度は教育する側の問題点として…
・即戦力を求めすぎていて、未経験新人に対しての圧がキツい
・経験があれば、
「じゃあ何となく分かるよね、分からない事があったらきいてね」
といった感じで置き去りにされ、分からない事を質問したら、
「こんな事くらい自分で判断してください!」
「こんな事も分からないの?」
などモラハラをしていしまい新人を退職に追い込んでしまうパターンが多く当てはまるように感じます。
運営側は「現場の事は現場で何とかして!」と問題があっても丸投げで職員のモチベーションを奪ってしまい、どんどん古株の有能な職員が辞めていくみたいな施設を沢山みてきました。
そしてとどめが、少ない職員数でも何とか回してしまう職員がいる事で、上層部が、
「この人数でもできるじゃない!!」
と勘違いをしている施設が多い事も職員が定着しない要因の一つになっています。
やはり、職員の定着率を上げるには教育が大切です。
施設の理念や行動規範、現場ごとにあるルールも理解してもらい、更に利用者の個性や既往、現病を覚えたり、服薬している薬の理解、身体介助の理解、認知症の理解など一般の仕事に比べて地道に覚えていかないといけない事が多いのです。
そして時間差勤務で体調を崩しやすいのも離職率が上がる原因の一つです。
後は時間差勤務が多く、年間休日も少ないのに(まとまった連休が取れない)賃金は少ない事も原因の一つです。
僕の体感としてコロナ禍が始まった2019年頃から介護制度崩壊の序章は始まったと考えています。
幼い子供を育てている職員や、小中高の学生を育てている職員さんがコロナに感染してはいけないというプレッシャーから離職をしていくと事を経験しました。
そして慢性的な人手不足の環境とコロナ禍における業務の増加、例えばアルコールで利用者や職員の触れる所を全て消毒しなくてはならなくなった事。
コロナに感染したり、濃厚接触者になり休職を余儀なくされた職員のフォローは公休を出勤に切り替え、別の職員が出勤して疲労度を更に加速させてしまうなど、離職されてしまう原因は多々ありました。
そして昨今の夏の気温上昇による風呂当番の負担も増えた事も離職の原因に上がると感じています。
厚労省の介護業界に対する無知な面も痛いほど思い知らされました。
言い出せばキリがないのでこの辺りで止めておきます。
私は上記で述べた事が全て、介護業界からの撤退を選択した原因です。
これを持って介護業界への意見を申す事も終わりにします。
介護業界で私に関わってくださった人に、感謝と敬意を表します。
誠にありがとうございました。
またどこかで縁がありましたら、介護業界の皆様よろしくお願いします。
さて、僕も前に向かわなくてはなりません。
人生は点という刹那を繋ぎ合わせたものだと、本で読んだことがあります。
過去を変える事は出来ませんが、過去から学んだ事を未来に活かすことはできます。
それをするには、未来に対して敬意と感謝をしながら過ごしていく事が必要だと感じています。
常に敬意と感謝を忘れずに、忍耐強く継続する事を目標に生きていきます。
ご完読ありがとうございました。
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