フリーRPG「夜明けの口笛吹き」の思い出〜エンディング編〜
とうとう書く。ネタバレ全開。このゲーム、フリーゲームですが、有名な作品です。私の個人的なうんちくが多いのはご了承ください。過去記事も読んでいただけていれば、私のテンションや混沌の具合もまだ分かり易いかと。
ネタバレはするけども
フリーゲーム「夜明けの口笛吹き」の過去記事も全部ネタバレだが、これはゲームである。ストーリーが一本筋のアニメや小説と違ってプレイできる作品であり、しかも、マルチエンディング。
ストーリーが現実世界にも侵食する並行世界に絡んでいるので、ネタを知っている、いないよりも、プレイしたときに、どの結末を受け入れているかの方が重要なんだよね。ちょっと何言っているか分からない人は是非、プレイしてみてください。思い出になりますよ。
サガ好きの作者が各階層の世界に“終わり”を用意してくれている。ときどき、腐った街で気だるげなエンディングもあるが、それはそれで良いような、受け入れてしまえばの話だが。何度もやり直せるのゲームは楽しい。
最果て
各階層で人生を終えるモブたちと違い、プレイヤーが操る主人公には自由がある。チカラもある。そうやって、イベントを乗り越えていくと、氷の世界あたりから、どんどん歪んでいく。
因みに、最後の方は突然の学園ものになったりで、よく分からなくなってくる。さらに支離滅裂なタチの悪い夢の世界まで食い込めばもう先に行くしかないとなる。
とにかく、ゲームなので戦闘すれば勝ち進めることを学習しているので、ストーリーに混乱しても戦闘が有れば安心してしまう。これは作者にとって不本意かもしれないが。
これ以上先に行けばUFOの中で目覚めて、宇宙人がラスボスかなと、そんなはずもなく、ラスボスは途中から分かり始めていた、FF6のケフカほどではないが。(過去記事より)例の嫌な女、のクリシュナが立ちはだかる。
私が、女性のことを女とかいうのは現実では気にそぐわないが、クリシュナはこの呼称とともに屠ってあげるのが適切な処置なのだ。構ってちゃんとケンカするときに、同情を悟られるのは厄介だからだ。現実においても、そういう輩がいる。
さて、クリシュナの最期の意地を蹴散らして、とうとう果てに辿り着いた。
そこには、ローブの男が待ち構えて、戦闘、ではなく労ってくれた。ローブの男は自分が大好きな人間だった。
挨拶もそこそこにまだゲームは続く。さらに奥には彼からのプレゼントなのか、3つの階段があった。3人は、それぞれの道を考えた。
お別れのとき
ノンデレのエリナーは、永遠に探求できる森へと続く階段を選び、空っぽだったアシカは少し強くなって下層へ戻る階段を選んだ。ポツンと主人公が残される。
このとき、私の操作するトトは、現実世界に戻る階段を選ぶようにするプレッシャーを感じていた。自分にしかない選択肢でお別れしないと格好が付かないような気分。結局、意味深だったローブの男も、行く先々で面白がるだけで何も決めてはくれない。
これはゲームだからセーブポイントからやり直せる。後から、エリナーやアシカが選択した階段のエンディングを見ることもできる。しかし、最初に選んで知る結末こそが大事なのだ。ここで現実へ戻る階段を選ぶとも限らない。
私は、階段を降りた。いや、上がったのだろうか?
草原の花
エンディングには諸説ある。ゲームの歯ごたえとは違い、非常にあっさりとしたエンディングだったからだ。
サンテレビの深夜の放送を終えたときの画面がドットで表現されていたのが印象的だった。これは私の記憶では二度寝したときにザッピングをしたときによく見かけら光景だった。これが目覚めだと、表現したいことは分かる。平成生まれの人には分からないかもしれない。
現実の写真のようなドット絵のスライドショー。
スタッフロールのバックの草原に花がポツンと。
折角、格好をつけて別れを選んだのに。底知れない作者の作風で、尻尾まで餡子を期待していた私には正直、物足りないエンディングだった。
無性に喉が渇いていたが冷蔵庫には牛乳しかなく、自販機にジュースを買いに行った。
田舎の川沿いにある店。自販機には大量の羽虫が群がっている。ボタンを押してゴロンと音がした受け取り口にも、デカい虫が隠れていないかと、おずおずと手を伸ばす。
飲み物で一息ついて、まあ、良いゲームだったと感じたことを覚えている。仲間との別れが切ないのは良ゲーだ。
それから、日が変わって、マルチエンディングをコンプリートしたあとに、このゲームのエンディングの考察を読むことにした。自分で解釈したかったけどまあ仕方なく。
そこにあった情報では、あの花はトトではないか?とのことだった。
トトは、ゲームプレイ中に一言も喋らなかった。花がトトだとしてもそれもあり得る。それも彼らしい在り方だ。周りが騒がしくて振り回されるのにも疲れただろうし。その考察、受け入れるに値する。
夢から覚めて
ではさて、あのゲームで、後ろ髪を引かれながらも、現実の階段を選ぶ意志を証明された。そんな自分が今ここにいるとしたら、どのような因果があってのことなのか?
叶えられたものは少ないが色々と怠惰を含め求めた結果が眼前にあるとして🥲
この現実にも、あのエンディングにも、物足りなかった自分は、与えるだけの花として生まれ変わるトトのようにはいかないことは確かだ。未だ、喧しいエゴを持つ人間である。
黒いローブの男は現実に現れることはない。姿はなく、今自分が味わっている気分を、肯定し尽くしているのが彼だと解釈している。
しかし、何とまあ、今日の気だるい日に、砂糖入りの冷たいジュースが美味いこと美味いこと。
えー、是非、「夜明けの口笛吹き」プレイしてみてください。
もしかしたら、このゲームは誰かの夢だったのかも知れないので。曖昧に記憶を掘り返して語っているので、ところどころ正しくはないだろう。あなたがプレイしなければ、私が語ったことを聞いただけのことで、黒のローブの男の眼差しを想像することはないだろう。
しかし、このゲームでも現実でも、なぜか役場ではタライ回しにされる記憶はあんだけど。これはマザー好きの作者のネタらしいが。