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夜明けの口笛吹きの思い出〜ソロプレイヤーと氷の世界

「ごめん、うちの定員4人まで、なんだよね」

※これは「夜明けの口笛吹き」というフリーゲームをプレイした印象の記事です。ネタバレもあります。

もう一度、ネタバレありますから。OK?

では。


パーティーは4人まで、誰が決めたことだかは知らない。プレイヤーとしては、暗黙知として受け入れられる。

だか、その制限によって、いつまでも主人公たちの仲間に加われない者がいるとしたら。

主人公トトの仲間には、メインのメンバーが2人いて、そこに、階層クリアのための重要人物が1人加わってしまえば、合計4人になってしまう。

毎度毎度、トトのパーティーが定員の4名になったときに遭遇する、パーティー参加希望を進言してくるモブキャラがいた。

ごめん、今回もフルメンバー。そうやって何度も断っていると悪い気もしてくる。のび太を仲間外れにするスネ夫みたいな状況だ。仕方なくだけど。

最終的に4度くらいは、断ったような覚えがある。他の人とパーティーを組めばいいのにとも思ったりもするが、作者もよくもソロ攻略というキツい運命を彼に強いたものだ。

主人公たちは、結構、シビアな戦闘をこなしながら旅をしている。特に序盤はキツい、大味な戦闘は皆無だ。砂の世界だったろうか。ピラミッドで出会ったボスもギリギリで倒せた。

一人旅は困難なゲームバランスだったので、モブの彼にに会うたびに、まだ生きていたのかと親近感を持つようになった。このまま名無しで語るのも水臭いので、私が考えたニックネームは「クリフト」だ。僧侶みたいなグラフィックだったので。

クリフトさん、頑張ってんなぁーと、何度も出会い、すれ違う。中盤を超えたあたりの階層世界でも、会えることを期待して楽しみにしていた。

氷の世界、多くの冒険者が立ち往生

トト御一行が、常に吹雪いている極寒の氷の世界層にたどり着いたとき、山の麓で、たくさんの熟練冒険者達が立ち往生していた。

冒険者たちは、ときどき下山してきては女をさらう山男を倒す依頼があるにも関わらず、やる気ナッシング、テンパチャーも低い、オレ温めるフライドチキンの方がマシ、アゲテケYo!な状況下。

トト達は強豪だったが、これ以上先へ進む意味がよく考えると薄い。時折語りかけてくるローブの男?も、トトには自由にしていいみたいなスタンス。ただ、メンバーに「エリナー」という永遠の探求者がいたので旅は続いた。ちなみに、彼女はノンデレ。マジです。作者、やりますねぇ。ラストの微妙な台詞、期待した情緒がないのも良き。

もう片方の相棒は、「アシカ」という剣士で、戦闘でとても頼りになる。剣士と言いつつ、攻撃イケイケのトトとエリナーを上手く補助してくれる。バンドメンバーで言うと、ドラムいないなら覚えよっかみたいな。

このようにアシカは、小器用でなんでも出来てしまうが、反面、ノリが軽くて、悪い意味で自分がない。本当は彼自身も自覚して、悩んでいる。

余談だが、「ブルーピリオド」っていう芸術にトライする青春漫画があるのだが、その主人公が、絵を描くことに素直に情熱を傾ける前の状態が、アシカの影と重なる。あと髪型もよく似ていたような。

クリフトさん(仮)との最後の出会い

そもそも、ここで瀕する冒険者達は、南極か北極とも云える極地点で、これ以上、旅を続ける理由や情熱が消えつつもある様子だった。熟練冒険者たちの燃え尽き症候群。もちろん、トトたちは違った。(プレイヤーがいるので導かれてしまう。この意味は、プレイすると分かる。ニヨニヨ)


あー!暖房きいてそうな、山の麓の神殿の中、見知った姿が!クリフトさん!ピッコロさん!ピッコロって誰やねん。ピッコロはおらへんやろ!

はい、ソロプレイヤーのクリフトさんです。

クリフトさんが何を言ったのかは曖昧な記憶だったが、

「また会ったね、しかし、もう仲間には入れてもらわなくてもいいかな…、ここが自分にとっての旅の終着点、たった1人で、ここまで、たどり着いた自分が誇らしい。」こんな感じだった。

トト達は、それを聞いてどう思ったかは知らないが、私は切なくなった。だが彼の生き様は最高だ。

自分自身の旅に心から満足しているという点において。彼の旅は、彼にとって比類のなき宝物なのだ。

次の世界へ行くための条件は…(ネタバレ)

後々、クリフトさんが、この氷の世界を旅の最終地点に選んだことは、ある意味、正解であったとトト達は知ることになる。

トト達が、苦労して山男を倒しても、次の世界へ行く扉や階段を見つけることができない。もう探索できる場所がない。つまり、行き止まりだ。そのまま、猛吹雪で遭難し、山男の寝ぐらでキャンプをするも、一向に状況は良くはならない。

プレイヤーである私の視点では何が起こっていたかというと、プレイ画面がどんどん白くなり、キャラクターが歩くスピードがだんだん遅くなっていく、徐々に意識が遠のいていくような演出だ。

頼りにしてきた仲間に話しかけるも、台詞が短くなって、みんな終いに無言になる。この絶望感、どう言えば伝わるかな。「普通さ、何か伏線があってさ…、助かったり…して…、さ……」。

そう、次の世界進む条件、それは「死ぬ」ことだったのだ。


早くプレイして欲しい、ネタバレがっ、止まらない

やっぱり、このゲームすごいわ。ネタバレという名の、ロマンティックが止まらないわー。最初に書いたのがラスボスの記事とか、狂っとるわー。

しかし、このまま、ネタバレしまくって良いのだろうか。ぜひ、プレイすることをお勧めします。人によっては、永遠に心に残る作品になると思う。

さすがに、エンディングについて語ってしまうと、それは不味いかな。私の記事を読んでいる人も少ないし、ネタバレ被害は小さいだろう。他の人が考察や結末について書いているだろうからいいかな、私は自意識過剰だし。

ただ、このゲームのトゥルーエンドは、たくさんの人を唸らせることだろう。それは、プレイして味わう余韻があってこそだ。

このような名作が埋もれてしまっていくことのノスタルジーパワーが、指を動かしているのである。もっと、早く、記事を書けるようになりたい。

私の今の素人レベルの文面では伝え切れないのだ。あるある〜、言いたい〜、の歌みたいに、引き伸ばしているが、事実、何度か、エンディングについて書こうとして、実際、消しているのだ。この記事の文章に続く余白にて。

そのこと証明する術はない。消しゴムをかけるのでないデジタルの余白は、何も語れやしない。ただ、その事実が存在していたのかもしれないと、想像していただけるのであれば幸いだ。

「夜明けの口笛吹き」プレイしてくださいよ。正直、私が味わう、ネタバレ罪悪感が減らせるので。

とうとう書いた、悪気はないです。エンディング編もどうぞ。





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