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起業家一年生の通信簿

地方で起業して一年が経った。法務局にドキドキしながら書類を提出しに行った日が、遠い昔のように感じてしまう。最近よく「社長さんですか?」と言わるが、未だに違和感しかない。

2018年はとにかく走り抜けてきた一年間だった。ちょうど会社の決算も12月なので、自分自身もこの一年間をきちんと自己評価し、備忘録として記録に残しておきたいと思う。

【起業家一年生の通信簿】

12月といえば通信簿の季節。会社勤めの時は「人事評価」という名の通信簿を頂けましたが、今は誰もくれないので自分でつけます。評価は5段階、評価項目は超勝手に以下の5つとします。

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・Sales and Profits(売上・利益の達成)

・Product Quality(ビールの品質)

・Customer Satisfaction(顧客満足)

・Social Values(社会的価値)

・Total(総評)

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1.Sales and Profits(売上・利益の達成)

評価:4

コメント:毎月売上計画を立てていたが、ほぼ計画比95-105%の範囲内で収めることができた。前年実績がない中でお客様の流れを予測し、現場で実行し、計画通りの売上をあげることができたのは素直に嬉しかった。というのも小売業にとって売上計画はものすごく大切で、売れすぎても売れなさすぎてもダメ。売れすぎると、商品の欠品、人員不足によるサービスの低下が発生する。売れなさすぎると、在庫・人員過多によるもろもろのコスト増が起こる。"適切な見積もりをし、最適な人員配置と在庫で商売する。”ことが大事だと思っています。このあたりの感覚は、前職の小売業での経験をうまく活かすことができたと思う。一方営業利益ベースで見ると、クラウドファンディングの売上を除くと赤字。ただし今年度の赤字は、将来を見据えて投資をした結果の赤字なので、そこまで気にしていない。(もちろん営業利益も大事!)短期的な損益に一喜一憂するのではなく、将来の売上・利益を最大化するために、長期的かつ戦略的な思考で物事を考えていきたい。まあそうは言っても間違いなく来期はオープン特需が無くなるので、2019年が本当の意味で我々の力が試される時。もがき、苦しみます。

2.Product Quality(ビールの品質)

評価:2

コメント:ビールについて、お客様に概ねご好評いただいていると感じていいる。カウンター越しに、「ビール美味しいね〜」と言われるのが何よりも嬉しかった。また醸造経験が浅い中で、コーヒービールやすだちビールにチャレンジすることができたのもよかった。ただ正直まだまだ改良の余地があるし、もっともっと新たなチャレンジができると思っている。来期は外に出て学ぶ機会を増やし、学んだ技術にチャレンジし、自分たちのスキル向上に役立てたい。今期反省すべき点としては、自分たちの経験不足により、やむなくビールを廃棄してしまったこと。本当に悔しかった。プロとして絶対あってはいけないことだと思うが、クオリティーコントロールのための止むを得ない決断だった。自戒の念を込めて、この評価とします。

3.Customer Satisfaction(顧客満足)

評価:4

コメント:googleの評価を見る限り、客観的な評価は概ね良かったかな?と感じている。ただし忙しさを理由にやれなかったことがたくさんあった。来期は現場での改善スピードを上げ、常に快適安心な空間づくりを心がけたい。またその次のステップとして、どうやったらビールを通じた"感動体験"を提供し続けることができるかを追求していきたい。正直毎日の店舗運営に必死なあまり、そこまで考える余裕が無かった。一人一人のニーズを把握しながら、ビール・料理の品質+αの驚き・感動の体験を提供できるよう努力していきたい。そして何より、自分たちが日々の仕事を最高に面白がりたい。それがきっと、最高の顧客満足に繋がっていくと信じているから。

4.Social Values(社会的価値)

評価:3

コメント:社会的価値。よりローカルで考えると、"地域貢献度"とも言える。お陰様でCAMPFIRE AWARD 2018 フード賞を受賞するなど、対外的に遠野や遠野産ホップをPRすることができたという意味では、一定の貢献ができたのではないかと考えている。しかしまだまだ認知の段階に止まっており、行動の喚起まで起こせていない。来期は我々を入り口に遠野へ足を運んでくださる人をより一層増やし、遠野のファンになってもらい、"ゆるやかな関係人口"を増やしていきたい。さらに言えば、我々の事業で得た収益を「遠野ホップファンド」のような形で、地域に再投資できる仕組みを作り、地域内でのチャレンジを後押ししていきたい。遠野でチャレンジしたい人、待ってます!!

5.Total(総評)

評価:3

コメント:法人設立から一年が経過し、大きな事件・事故もなく、今も潰れずに事業を続けることができていることをまずは素直に評価したい。良くも悪くも、今年は"守り"の一年だった。ひたすら店舗運営に注力し、安定して効率的に運営ができるようになったものの、外部への営業や、新規事業の立ち上げなどが疎かになってしまった。来期は店舗の収益は改善しつつも、どんどん外に打って出ていき、新しいことにチャレンジしていきたい。アグレッシブに攻めますよ!!そのためにも、まずは仲間が必要です。結構、本気です↓↓

求む。醸造する料理人!!遠野醸造第二創業メンバー募集

ということで、平成最後の一年は怒涛の一年間でした。半年間での法人設立、資金調達、店舗改装、醸造免許取得はなかなかにハードだった。間違いなく一人では成し得なかったことなので、共同創業者の太田氏と田村氏には感謝したい。またクラウドファンディングを通じて支援してくださった方々、地域で一緒になってオープンを手伝ってくださった方々にも心から感謝申し上げたい。この場を借りて、ありがとうございました!

2019年は家族も一人増え、より一層プレッシャーと戦いながら生きていくことになりそうです。(すっごく嬉しいですが、正直胃が痛い・・・。)当たり前のことですが、そんな中でも笑顔と感謝の気持ちを忘れず、心に適度な"余白"を持ちながら、仕事を楽しんでいけたらいいなーと思っております。

以上、起業家一年生の通信簿でした。さよなら、平成!!!


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