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破壊の読書会 開催レポート10.12.24

通算で6回目の読書会となる、「破壊の読書会_SARUSHIMA」を主催含め5名で開催しました。
当会初の野外読書会にして、東京湾で唯一の無人島である猿島を会場にした読書会です。

アートイベント「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島 2022」に参加して以来、ずっと「ここで読書会を開いてみたい」という想いを胸に秘めていましたが、ようやく実現しました。

猿島に上陸。海がとても澄んでいます。

読書会

アイスブレイクでは参加者に「行ってみたい島」を発表して頂きました。
☞嘉弥真島(沖縄県八重山郡)
☞金華山島(宮城県石巻市)
☞イニシュモア島(アイルランド、アラン諸島)
☞グレートブリテン島(イギリス)
☞佐渡島(新潟県佐渡市)

課題本形式か紹介形式かでギリギリまで迷いましたが、最終的にテーマありの紹介形式に決めました。

紹介テーマは「島」。
島に関する本について、島で語るという試みです。
初の試みで不安要素も多かったのですが、当日は天候に恵まれ、参加者からも「ありそうでない試み」「遠足気分で楽しい」と好評を頂きました。

【紹介された本】

『ともだちのなまえ』内田麟太郎 、はしもとみお(‎教育画劇, 2023)

『島の地理学: 小さな島々の島嶼性』 スティーヴン・A.ロイル著, 中俣均訳(法政大学出版局, 2018)

『アイリッシュミュージックディスクガイド (Be pop VOLUME 13)』(音楽之友社, 2001)

『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』奥野克巳(亜紀書房, 2018)

『日本の島々、昔と今。』有吉佐和子(岩波書店, 2009)

海が見渡せる展望デッキのベンチで語り合いました。

探検ツアー

読書会の後は、かつて東京を守る要塞としての役割を持っていた猿島の戦争遺跡を、プロガイドの方の案内を聞きながら見学する「猿島探検ツアー」(30分コース)に参加しました。

ウェルカムセンター近くの発電所。煙突のモルタルの下からレンガが覗いています。
マンホールではなくハンドホール。発電所の電気を運ぶ送電線を通すための穴なのだそうです。
兵舎跡。壁に走る亀裂は、戦後に弾薬を爆破処理した際にできたものなのだといいます。

おわりに

主催は以前、ある読書会で島関連の本を紹介した際に、「島のどこが好きなのか」と聞かれ、「異世界感」と答えたことがあります。
通常は目に見えない曖昧な国境や県境などとは違い、島には目に見える、はっきりとした「境界」があります。
通常の移動手段では越えることができない海という障壁を船によって越え、その「境界」に足を踏み入れるという「越境感覚」は、まさに島旅ならではの魅力と言えるのではないでしょうか。

世界の様々な島の文化や歴史について語る参加者の言葉にザザーンという潮騒が重なる度に、主催は自分がどこにいるのかを一瞬忘れるような、あるいは心の世界、思念の世界が現前してくるかのような心地がしていました。
参加者の皆さまにもそんな「異世界」を少しでも感じて頂けたなら幸いに思います。

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