ごりら

恥のむきだし

ごりら

恥のむきだし

最近の記事

免許更新とマダムと屁の濡れ衣の話

受付開始の30分前に順番をとりに来たのに すでに23番目だった。 絶望だ。 何が嬉しくて三連休の朝一から 耳鼻科に来なければならないのだ。 喉が痛い! そういえば昨日の免許更新も散々だった。 5年の間に車を運転したのはたぶん2回くらいの私は今回の免許更新も優良ドライバー扱いされた。 一回くらい違反切符をきられた人より、もう10年以上ろくに運転していない私の方がドライバー界の危険分子のはずだが。日本の免許はザルだな。なんて思いつつ優良ドライバーとして30分の優良教室

    • 神は〇〇をお急ぎではない話

      あれはたぶん2014年夏、25歳、 六本木ヒルズをぶらぶら歩いているときだったと思う。 ガウディ展のポスターだったか垂れ幕だったか、 突然目に入ってきたその言葉は、私に雷を落とした。 「神は完成をお急ぎではない」 というその言葉は、現在も建設が続くサグラダ・ファミリアに対してのものらしいが、私は罰当たりにもこう思った。 “これは使える!” それからというもの、「神は〇〇をお急ぎではない」の〇〇の部分に、私はありとあらゆる事柄を当てはめては自分を甘やかして生きてきた。

      • 日の丸を背負ってしまった話

        ユニクロのワイヤレスブラがついに安くなった。 2,990円が1,990円!この日を待っていた。 先週の金曜日、子供達を登園させたあと 私は意気揚々とバスに乗り込んだ。 使い古したユニクロのワイヤレスブラは 後ろのゴムが伸びてしまってカパカパで、 歩くたびに下乳が出てしまう有様だ。 下乳が出るのは良くないので 早急に買い替える必要があったのだが、 私のシックスセンスが「ワイヤレスブラ、長いこと安くなってない。そろそろセールするはず。待て」としきりに警鐘を鳴らすので私は待っ

        • 派遣先のドドリアさんの話

          私がドドリアさんと出会ったのは、 夫と籍を入れる半年前の、派遣先でのことだった。 そのころの私といえば、 社長の理不尽さに嫌気がさし、社長と大喧嘩し こんなクソみたいなところで働けるかバーカ!と 転職先も確保せず前職を辞めるような 正真正銘のダメ人間であった。 後先を考えないにも程があるが 後先を考えず仕事を辞めるのは初めてではないし、 どうにかなるっしょ♪と脳内の私も言ってるし、 もうそろそろプロポーズされそうだし、 そんで妊娠したらそっこー辞められる仕事がいいし、 と

        免許更新とマダムと屁の濡れ衣の話

          悪友ゆうちゃんと、マンモス獲れる男を探す話

          私の大好きな悪友ゆうちゃん。 彼女と知り合ったのは小6の修学旅行だった。 クラスは別で話したことはなかったけど、 部屋が一緒だったのだ。 お人形のように可愛い顔とは裏腹に、 ゆうちゃんは言動全てがコミカルで面白かった。 言語化能力なんて私の比じゃないし 記憶力もワードセンスも半端なく良かった。 ゆうちゃんは勉強嫌いだったけど、 彼女のような人を天才と呼ぶのだと思った。 中学生になったゆうちゃんは一時期不登校になった。 両親の離婚問題や母娘関係、 彼女をとりまく環境

          悪友ゆうちゃんと、マンモス獲れる男を探す話

          トップ・オブ・ザ・無能の話

          「我慢の限界です、処しましょう」 ゴミ当番の私はいよいよ頭に来て、 夫にそうラインを送った。 年明けあたりから、 ゴミ出しのルールを守らない家がある。 分別も守らず、収集日も守らず、 回収されていなくても持ち帰らず、  その尻拭いはゴミ当番の仕事だ。 1週間ごとに交代とはいえ ゴミ当番の順番が回ってくるたびに憂鬱な気分だ。 この地域のゴミ出し日に慣れてないのかな…? と思ってしばらくは大目に見ていたが、 かれこれ5ヶ月はこの調子である。 犯人は確信犯だ。 ルールを

          トップ・オブ・ザ・無能の話

          続・さくらんぼに戻った話

          さくらんぼ危機は年中クラスがあと少しで終わる、 3月はじめの曇り空の日に唐突にやってきた。 前回のお話はこちら。 母親というのは不思議なものだ。 バスを降りてきた娘の表情や「ただいま」のトーンで、今日という1日が娘にとってどんなだったかすぐ分かってしまう。 (あぁ、こりゃ何かあったな) と、道路に飛び出しそうになる2歳の息子を静止し、鮮魚のようにビチビチ跳ねて抵抗する彼を小脇に抱えながら私は思った。 「なんでママは働いてないの」 「娘ちゃんもお預かりがいい」 おや

          続・さくらんぼに戻った話

          めんどくさいモンスターの話

          物心ついた時からめんどくさがりだった。 私がどのくらい日々をめんどくさがっているか、 どうやったら伝わるんだろう。 私の中の“めんどくさい”という馬鹿デカ感情を説明するには、語彙力と文章力が足りない。とてもじゃないが追いついてこない。 脳内では事あるごとに大西ライオンが 「し〜んぱ〜いないさ〜〜!!」のトーンで 「め〜んど〜くさいな〜〜!!」と 腹から声を出して叫んでいる。 好きなことだけやって暮らしたいが そうは問屋が卸さないこともさすがに知っている。 しかし何か

          めんどくさいモンスターの話

          脳内喫茶店の話

          脳内に喫茶店があり、 私はそこでもう1人の私とよくお茶をする。 …何言ってんだこいつって思った? えっ、やばい奴やん、 頭にアルミホイル巻いてる系?って不安になった? 一旦落ち着こ。 大丈夫、私は全然キマってない。 何もキメてない。酒も飲んでない。 ただの怠惰で善良な主婦。 ちょっと大根足なだけの。 でもマジで脳内に私がもう1人いる。 現実世界の私をごりらAとするなら ごりらBが脳みその中にいる。 怖い?怖いよね。 大丈夫、安心して。 私は宇宙と交信し始めるタイプじゃ

          脳内喫茶店の話

          ビッグマック先生の話

          「予定を調べてこちらからまた連絡します!」 歯医者の受付でそう言った日から5ヶ月経った。 3ヶ月めくらいにクリニックから 「全然来んやん。どうよ最近?」 という圧のこもったハガキも届いていた。 それでも私はスルーし続けた。 スルーというよりも、 時折思い出してはすぐ忘れる、を繰り返していた。 「下の子が入園前で中々預け先がなく…」 などの言い訳も多々あるのだが、 シンプルに行くのがめんどくさかった。 だって虫歯治療、痛いじゃん… めっちゃ嫌じゃん… 子供向け歯医者み

          ビッグマック先生の話

          さくらんぼに戻った話

          ひとつ前の恥の話がひどく下品だったので 今度はハートウォーミングな話をしたい。 私には娘(5才・年長)もいるんだけど、 この子が年中の時のお話。 娘は赤ちゃんの頃からそれはもう臆病で人見知りする子だった。実家や義実家に連れていっても、慣れるまで必ず30分〜1時間はギャン泣きする赤ちゃんだった。 「うわぁあああああああ!!!!誰こいつ誰こいつ知らない顔なんですけど怖いんですけど無理なんですけど早く家帰りたいんですけどウォオオオやめろ離せ抱っこしようとするなママから死んでも離

          さくらんぼに戻った話

          恥は子孫を救う話

          恥の多い生涯を送って来ました。 私の35年間の人生の主成分は恥と失敗。 96才あたりで死のうと思っているので あと61年は恥をかきながら生きていくんだと思う。 あといくつの恥をかいて俺は生きていくのか。 私には夢がある。死ぬ前に私の子孫に「ばあちゃんの恥全集」を手渡したい。彼らが恥ずかしい思いをしたり困難に陥った時に「まぁ、ばあちゃんのアレよりマシやな」と思って心を軽くしながら生きていって欲しい。そのために今からnoteに色々したためていこうかな。ばあちゃんの威厳を保つた

          恥は子孫を救う話