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7.18激論会 大分岐!ウクライナ反戦

「戦争反対、停戦、ロシア軍撤退」を叫びつつ、なぜかロシア側の人権侵害には踏み込まず、侵略される側に存在する「非」を示す情報をネット上で探し続けている不可解な一群の人々がいる」(実話BUNKAタブー2022年6月号31ページ)

 私が書いたこの記事を読んだり、日頃の言動を気にかけてくださる人たちが以下の企画を考えてくれた。お時間がある方、ぜひご参加ください。以下は主催者の案内文です。

7.18激論会
大分岐!ウクライナ反戦

〇7月18日(月・祝日)13時半開場 14時開始
〇神保町区民館3F(神田神保町2の40)
https://www.next-fu.co.jp/areacho_nf/shisetsu_nf13101/shisecate_nf0714/detail_nf2112342/

神保町区民会館 - Google マップ -

〇パネリスト
 林 克明 (ノンフィクションライター)
 加藤直樹 (ノンフィクションライター)
 原 隆 (NO―VOX Japan)

主催 7.18実行委員会 (呼びかけNO-VOX Japan TEL090-1429-9485)

独裁者プーチンによるウクライナへの侵略戦争は、21世紀の世界情勢を一変させた歴史的な転換点と言える。このウクライナ戦争を巡って反戦運動が、かつてない混迷と大分岐にある今だからこそ、「歴史と現実を直視する」真摯な討論の舞台が設けられるべきではないか―私たちは、そういった考えから今激論会を呼びかけた。
間抜けな左翼の侵略擁護論
その最大の動機は、プーチンの陰謀論とも言えるプロパガンダにすっかり操られミスリードに一役買っている「間抜けな左翼」が散見されるからだ。「アメリカやNATOが、ロシアの弱体化と分割を目論み、ロシアをウクライナへの戦争に誘い込んだ」。「この戦争は、シア対ウクライナではなく、ロシア対NATOの戦いだ」。つまり帝国主義同士の代理戦争だからどちらにも味方しない―「冷戦」時代そのままの反米(帝)を前提とした時代錯誤のこうしたシェーマは、事実上の「侵略擁護論」に他ならない。実際、NATOの「脅威」をデッチ上げ、「自衛」のため、「住民保護」のためと称して、侵略を正当化する口実にしたプーチンの主張を追認するかのようだ。中国政府がまさにこの立場である。あるバイアス(思い込み)に強く囚われているほど、根拠に乏しい陰謀論に操られやすいのである。
プーチンの大ロシア主義
 またウクライナや東欧の1989年以降の「民主化」やロシア国内の反体制運動は、全てCIAの工作であるとする。自由を求める民衆の主体的自発的な立ち上がりを徹底して否認し愚弄するのは、それを恐れているからだ。元KGBで暗殺や陰謀に手を染めてきたプーチンらしい「作り話」だ。典型的なのが「反ロシア=ネオナチ」というレトリックである。それが詭弁であることは、ロシアの民間軍事会社ワグネルこそナチス信奉者によって創設されたプーチンの傭兵部隊である事実が明らかにしている。こうしたプロパガンダを真に受けてしまっているから、「大ロシア復活」というプーチンの残虐で卑劣な野望、チェチェンで実証された民族浄化の暴虐を見過ごし批判することができないのである。ファシスト並の独裁者・戦争犯罪者であるプーチンがほくそ笑んでいるのが想像できる

侵略への抵抗は民族自決の権利

ロシアが今、ウクライナに対してやっていることは、紛れもない侵略であり、大量虐殺(ジェノサイド)であり、破壊、戦争犯罪ではないのか。NATOを批判するばかりで、何故この残虐行為を黙認するのか。ロシアによる侵略によって、自由と尊厳、命を奪われ虐げられているウクライナの現実を目の当たりにして、あなたは心が痛まないか。怒りが湧かないか。それで反戦を訴えられるのか。これは、もはや人間性の問題であろう。侵略者に対して自衛のために武器を手に抵抗することは(国際法上も認められた)権利である。この当然の権利を放棄して「降伏しろ」などとどうして言えるのか。ロシア軍による占領下での殺戮、強制連行、略奪、レイプ―こうした戦争犯罪を黙って見ていられるのか。断罪できないのは何故か。ロシアによって植民地的隷属を強いられ自決権を奪われて、「小ロシア」として併合されたウクライナの歴史をなぜ無視するのか。侵略に抵抗して戦う以外にウクライナにどんな選択肢があったのか。抵抗をやめればウクライナはロシアに併合され存在しなくなる。国連や国際社会が、ロシアのこの暴挙を止められたのか。むしろプーチンの大ロシア主義の野望を増長させてきた責任が日本を含めた主要7カ国にあるのではないのか。侵略を止められるのは、暴力か非暴力かを問わず、抵抗することによってしかない。自由と尊厳は戦わないで得られない。そのためにウクライナの人々が、どれだけ辛く苦しい選択を余儀なくされているか想像してみよう。

 自由と尊厳のための抵抗

 自由と尊厳、生存のために侵略者と戦うウクライナへの連帯と支持が世界中で広がっている。当たり前だ。この世界の潮流から取り残されてしまっているのが時代遅れの左翼とりわけネオスターリニストだ。だから反戦運動は今や「大分岐」に直面しているのである。自由や尊厳、民族自決の権利を奪う侵略者に対して抵抗するウクライナの人々を「NATOの手先」「ネオナチ」だと貶めたり、侵略者とそれに抵抗する者を同列に扱う主張は、ロシアの侵略を正当化・擁護するに等しいと言わざるをえない。ウクライナの抵抗を担っているのは、大統領や軍人だけでない。民衆一人ひとりの意志がなければ、簡単に崩壊する。ウクライナから自由と自己決定権を奪ういわれは、ロシアにもNATOにもない。「NATOが戦争の元凶」論や「帝国主義の代理戦争」論、「侵略にも抵抗にも反対」論等、「反戦」を装ったいかなるタワ言も、滑稽であり、人間性が疑われる。欺瞞と偽善で固められた「反戦」では共感を得られない―ということが、共通認識になるような議論を始めるべきではないかと私たちは考える。「ウクライナの自由」は、私たちの自由でもあるからだ。侵略者ロシア軍は直ちにウクライナから出ていけ!自由と尊厳のために侵略に抵抗するウクライナに栄光あれ!            (文責・原 隆)

参考文献

「増補版プーチン政権の闇~チェチェンからウクライナまで」高文研
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784874987995

「ロシア・チェチェン戦争の628日~ウクライナ侵攻の原点に迫る」
清談社Publico
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909979339




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Hayashi Masaaki 林克明ジャーナリスト
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