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今日の1コマ〜パート3〜
こんばんは!
回復期病院でリハビリの仕事をしていて、ここ最近あったこと、感じたことをここでたらたらと綴らせていただきます
今回の患者様はA氏としよう
A氏は90代の超高齢男性で、尿路感染症にて急性期病院にて治療を終え、その後リハビリ目的に入院してきた方だ
A氏の特徴としては、
❶年齢相応に認知機能が低下していること
❷バランス低下により歩行が不安定であること
❸尿路感染症により、尿バルーンが留置されており、永久に抜けることはないこと
などが、挙げられる
今回特に課題となるのは、
上記状態のA氏が、自宅に帰るにあたり、
尿バルーンを自己管理し、安全に屋内生活を送れるかどうかである
そこでまず1週間様子を見てみた
PTでは、歩行を見てくれているため、
OTで尿バルーンの管理定着を目指して介入することとした
ちなみに、尿バルーンとはこんなやつ↓のこと
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134669119/picture_pc_73e234dff0c4e7b7174bbfc826fde9a1.png)
知らない人は調べてみてね
1週間経った経過...
全くと言っていいほど、尿バルーンの管理できず!
でした笑笑
本人には、
・尿バルーンの必要性
・抜去リスク
・管理方法
をその都度教えること
また、環境設定としてベッドサイドに、
バルーン管理するよう文字で提示するなどし、意識づけを図った
が、認知機能の低下もあり、ベッドサイド以外の別環境になると忘れてしまったり、タスクが増えると注意が向かないなどが挙げられ、尿バルーン管理は難しいと判断した
実際...
尿バルーンの必要性の話を散々した後、歩きましょうと声かけると
「いや〜、ほんとね。
大事にしなきゃね、これ(尿バルーン)。
命の次に大事にしないと。」
と言いながら、車椅子にバルーンバッグをつけたのを放置したまま歩き始めようとしてしまう
ということもあり、
1週間経過後、DIBキャップを検討した
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134669516/picture_pc_603f5e3cb60e48753fe0916ccc8b9786.png?width=1200)
↑バルーンカテーテルの先につけてキャップの付け外しで排尿できる
詳細が気になる方は調べてみてね
DIBキャップを使用するにあたり課題は、
・キャップ操作
・時間管理
大きくこの2つだ
幸いにも手指の巧緻動作は良好
ただ、問題は時間管理だ
認知機能の低下もあり、時間管理が怪しい
そこでA氏の普段の様子を振り返ってみる
くりこの病院では、リハビリ時間は決められており、1日のスケジュールが患者さんに事前に配られている
そのため、患者さんが自分のスケジュールを事前に把握することができ、人によってはリハビリ時間になると、ナースステーションまできてくれる方もいる
A氏も、リハビリ時間前にはリハビリに行く準備を終えており、いつも居室で座って待ってくれている
そのため、スケジュール管理は比較的できる方だと考えられる
ただ、自宅での日常生活ではスケジュールなど基本無い
そのため自宅ではスケジュール管理は、習慣化されていないと考えられ
より強固な策として、スケジュール管理に加え、タイマーで時間を知らせて、行動に移す方法を検討した
その準備として、タイマーに慣れていただく必要があると考え、今日は模擬的にタイマー管理を実際やってみた
今回は、リハビリ介入始めにタイマーをセットしておいて、リハビリ終了時にタイマーが鳴り、止めていただく課題とした
本人にもこれらの意図を説明、タイマーがなったら止めるよう指示
意図や、指示を理解できていることを確認した上で、タイマーセット
リハビリ終了時、居室にて、
"ピピピピッ ピピピピッ"
アラームの音が鳴り響く
本人はと言うと
着ていたパーカーを脱ぐのに夢中
脱いでいる際もずっと鳴り止まないタイマー
しばらく待ってみるくりこ
パーカーを脱ぎ終わり、タイマーを止めるかと思いきや、次はそのままベッドへ横になろうとしたため、慌てて止める
「いや、まてい!」byくりこ
(実際はちゃんと丁寧な言葉で伝えてます、気持ちとしてはこんな感じでした笑)
念の為、タイマーの音が聞こえてるか確認すると、
「聞こえてるよ、うるさいよね、ずっと鳴り止まないんだもんこれ。」
...
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134667307/picture_pc_a94cacd0fe7992b1507756b3c2b93967.png)
開いた口が塞がらないとは、まさにこのことなのか...
意図を忘れるのはしょうがないとはいえ、タイマーって止めるもんじゃ無いのー?!
と、衝撃が隠せない出来事であった
まあ、でも、そうか
いつもはタイマーを使って行動をしてないため、タイマーという認識すら乏しいのかもしれない
携帯からなんか音鳴ってるな、なんでだろう
ぐらいの感覚なのかもしれない
最近こそ、携帯やスマホでタイマーを使用する人もそこそこいると思うが、90代の方々はそういった環境がなかった、もしくは慣れていないのかもしれない
改めて、ジェネレーションギャップなのか、
認知機能の壁を見たのか、
新たな課題に直面したくりこ
さて、明日からどうしようか
患者さんと関わると、いろいろと試行錯誤の毎日
しかし一つ一つ向き合うと、正攻法が見えてくる
またそれが、楽しい
リハビリ、いや、作業療法の醍醐味だ
今日も一日お疲れ様でした🍵