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母と私と喫茶店と

みなさまこんばんは。
つるさんの「珈琲で書く」を拝読して、思うところがありましたので記事にします。

私には、20歳年上の母がいます。
この母が、まぁ珈琲が好きでして。

そんなわけで、私は幼いころから「喫茶店」によく連れて行ってもらいました。
地元にある喫茶店は、いわゆる「ゲーム喫茶」だったと記憶しております。
インベーダーやアルカノイドのゲーム機が、テーブル代わりに使われていた喫茶店です。

母は若いころ、ゲーム機に百円玉を積んでインベーダーを楽しんだそうです。
珈琲を飲みながら。

私が小学生になる頃には、ゲーム喫茶は姿を消しました。
その頃には、普通の「喫茶店」に連れて行ってもらうことが多かったです。

母は、珈琲。
アメリカン、そしてブラック。
幼かった私は、ミックスジュースを飲んでいたと記憶しております。

その喫茶店は、「煉瓦亭れんがてい」といいました。
外観が煉瓦で作られていて、オシャレな喫茶店でした。

子供だった私は、煉瓦亭のママさんにかわいがってもらいました。
マスターは常にベストを着ていて、今思えばかっこよかったんでしょうけど…
子供時代の私には、少し怖いイメージがありました(笑)

煉瓦亭のテーブルには、普通のグラニュー糖のほか、コーヒーシュガーがありました。
茶色の、ざらめのようなアレです。
私は煉瓦亭に行くと、コーヒーシュガーを飴代わりになめていました。

煉瓦亭の何がおいしかったかというと…
卵サンドでした。

何の変哲もない、ゆで卵をつぶし、マヨネーズをあえたフィリングのサンドイッチ。
それが、何よりもぜいたくにおもえたのです。

母はコーヒーと卵サンド。
私はミックスジュースと卵サンド。

今思えば、ぜいたくなひとときでした。

あれから数十年たって、煉瓦亭は姿を消しました。

がっ。

煉瓦亭のすぐ近くに住んでいた夫は、その存在を覚えていました。

「うん、煉瓦亭、あったよなぁ」

夫と知り合ったのは私が32歳。
煉瓦亭が姿を消してから、20年ほどは経っていたでしょう。

ですが。
同じ風景を、夫も見ていたという事実は、少し嬉しかったです。


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