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「シン・エヴァ」は前代未聞のプロマネ術か?(1)「プロジェクト・シン・エヴァンゲリオン」をPMP目線で読んでみた

その2 その3 その4 その5

「プロジェクト・シン・エヴァンゲリオン -実績・省察・評価・総括-」という書籍を購入しました。
帯に「前代未聞のプロマネ術を解剖」「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』はプロジェクトとしていかに遂行されたのか?」という謳い文句があって興味を持ちました。
超有名なアニメ作品が、どのように企画されて制作されたのかをプロジェクト視点で書かれた本だと思ったからです。


シン・エヴァとの出会い

そもそも私はエヴァンゲリオンという映像作品を見たことがなかったのです。
プロジェクトマネジメント学会の秋季大会(8/31~9/1)出席が確定し出張手続きを始めようとした私は、学会が宇部市にある山口大学工学部キャンパスで開催されるというのは知っていたものの、宇部ってどこ?という状態でした。

羽田・山口宇部のJAL便と安めのビジネスホテルを予約して一旦安心したものの。空港から宿の最寄り駅までの交通費を調べてみたら、電車の路線はあるのに電車が少なすぎて移動できない。バスは到着便に合わせた連絡バスがあるけど、それに乗れないと次のバスまでどれだけ待つの?と驚愕しました。
普段は羽田・伊丹便しか利用しないため、いつもの感覚で宇部空港で食事してから宿へ向かおうと甘く見ていました。

そこから、宇部ってどんなところなの?
食事するところも無いのかもと疑心暗鬼になって調べると、やたらとエヴァンゲリオン云々が出てきました。
「そうかぁ、庵野監督が宇部出身なのかぁ。」
という出会いの後、会社の図書費で要求する書籍を探していて「プロジェクト・シン・エヴァンゲリオン」を見つけました。
おっ、なんだこれ。自腹で買ってみるかと。

プロジェクト・シン・エヴァンゲリオンでいうプロジェクトとは

「プロジェクト」と呼んでいても明確にプロジェクトが何かということが曖昧なまま書かれているのではと疑いましたが、PMIが定義する「プロジェクト」の定義に沿った整理を試みていることがわかりました。
「おお、これは」と思い、読み始めました。

映画そのものは「シン・エヴァンゲリオン劇場版」というのが正式なタイトルですが、長いので以降「シン・エヴァ」と略します。

本書の主旨はプロジェクトの振り返り

本書は、シン・エヴァの制作をひとつのプロジェクトとみなし、プロジェクトの経過・結果の振り返りを主な目的としています。私はPMOの立場でITプロジェクトの完了報告会・振り返り会などに参加し資料等もを見てきましたが、異業種のプロジェクト振り返り資料を見る機会がこれまでなかったのでとても興味をひかれました。
本書に対しては、まずはこのような形式で振り返りを行って公開してくれたことを好意的に受け止めています。

本書がPMIのプロジェクトに沿った振り返りを見せてくれるものとして、PMIの知識体系であるPMBOKに沿ったプロジェクトマネジメント目線でどんなことが書いてあるかを見てみようと思いました。

本書の目次構成はこのようになっています。

本書の位置付けと概要
本書の試み
1章 プロジェクト概要
2章 プロジェクト実績
3章 プロジェクト省察
4章 内部評価
5章 ライセンスと宣伝
6章 外部評価
7章 プロジェクト総括 庵野秀明 ver1.00(2023年1月20日版)
終章 シン・エヴァンゲリオン劇場版 全参加スタッフ一覧

この記事の目的は、シン・エヴァの振り返りとして公開(出版)された本書から、まったく業種を異にする私たちが日頃携わっているプロジェクト遂行のヒントを得られるとしたらどういったものになるかを考察することです。
まず「1章 プロジェクト概要」「2章 プロジェクト実績」「3章 プロジェクト省察」から読み進めてみて本記事を随時更新していきます。

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