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QMSでプロジェクト品質は改善できるか?

プロジェクト品質を良くするために必要なのは、品質マネジメントシステム(QMS:例えばISO9001など)ではありません。
品質マネジメントシステムの内だろうが外だろうが、プロジェクトを成功させるためにやるべきことがあります。プロジェクトを成功に導くために何が必要かを見極めて、適切にマネジメントプロセスを実行することがプロジェクト品質を改善する近道です。


プロダクト品質とプロジェクト品質

私が勤めている会社では、SIの品質もソフトウェア製品のプロダクト品質も良い方だと思います。
ではプロジェクトの品質はどうだろうと考えたときに、そもそもプロジェクトの品質を何で測るのがよいでしょうか。

品質マネジメントシステムをテーラリングできているか

たまに相談を受ける方から職場の話しを聞いてみると、今更ながら品質マネジメントシステムありきという考え方になっています。
組織で定めた標準プロセスに従って作業しているかどうかが重視されています。それはそれで大切な考え方ですね。

そもそも全社の標準は各部門でテーラリングする前提で提供しています。全社標準を部門標準に落とし込んで、さらにプロジェクト毎に標準プロセスを定義する前提なのですが、ほとんどの組織で適切なテーラリングをしないまま、プロジェクト実施結果としてプロダクトの品質がどうなのかを測定しているように見えています。
みなさんの所属する組織ではどうでしょうか?

PMBOKと品質マネジメントシステム

PMBOKガイドでは、品質マネジメントシステムはあくまでもプロジェクトマネジメントのひとつの知識エリアである品質マネジメント領域で登場するいち要素として登場します。
ところが、多くの組織では会社業務の全てが品質マネジメントシステムの中にあって、プロジェクトマネジメントという概念はほぼ無いという時代が長く続いてきました。

PMBOKガイドではプロジェクト品質マネジメントは、

ステークホルダーの目標に合致するために、プロジェクトとプロダクトの品質要求事項の計画、マネジメント、およびコントロールに関する組織の品質方針を組み込むプロセスからなり、母体組織のために展開される継続的なプロセス改善活動を支援する

と言う書き方になっています。
もともとが単一プロジェクトのマネジメントがスコープだったPMBOK的には、このような考え方で問題ありませんね。

ただし、PMBOKガイドで取り扱う範疇だけで、ひとつのプロジェクトだけを見ていても改善はできないと思います。プログラムマネジメントやポートフォリオマネジメントの立ち位置でプロジェクトを評価するという視点が必要です。

やるべきことはQMSの外にもある

定められたプロセスに従っているかどうかというのは、指標にはなるし、大事なことです。
そうはいっても、当たり前のことですが、プロジェクトを成功させるためにやらなくちゃいけないことは品質マネジメントシステムで定めたプロセス以外にもあります。やるべきことをやらずに失敗したプロジェクトを沢山見てきました。

プロジェクトを成功に導くために何が必要かを見極めて、適切にマネジメントプロセスを実行しているかどうかがプロジェクト品質の良し悪しにつながるのだと思います。

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