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建築設計における色彩の心得とグレー色

商業的な空間では、日常的に丁寧に演出されるため、店舗や宿泊空間は事業のテーマやコンセプトに寄せた空間が維持されることが多い。公共空間や住宅においては、その時のライフスタイルや社会状況や使われ方に柔軟な空間である必要がある。新陳代謝し続ける街並みやライフスタイルの変化による暮らしの道具の変化や量に対して調和する空間づくりにおいて、素材そのものの色はもちろんのこと、色彩を計画することは重要である。

プライベートでも、仕事でも、最近は特にグレーに注目している。

特にマンセル表色系におけるYR(黄・赤)色相のグレーは、自然や人工物のどちらかに限らず、どの場所でも馴染みやすい色だ。色彩計画家の加藤幸枝さんの教えである。生活の気配のない竣工写真ではサッパリしているが、什器や家具や雑貨が入ると馴染む。

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