水谷元/建築家

水谷元建築都市設計室主宰,書籍等:地方で建築を仕事にする(学芸出版)臨海住宅地の誕生(…

水谷元/建築家

水谷元建築都市設計室主宰,書籍等:地方で建築を仕事にする(学芸出版)臨海住宅地の誕生(新建築社)現在知Vol1(NHKブックス),日本建築学会 2018年-2019年 建築雑誌編集委員,九州大学「都市建築コロキウム 」2020年前期非常勤講師,島暮らしの猫好き。

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能古島のアトリエの将来を見据えて

私は父が設計した自宅で建築設計事務所を経営している。父は1993年に57歳で他界し、私は当時小学5年生だった。夫のいなくなった母は中学生の姉と私を育てなければならず、父のわずかな生命保険を一般的な戸建てよりも規模が大きかった自宅を改修し、レストランを経営することを決めた。 母は社会との接点としてもレストランの経営を楽しんでいたように思うが、感染拡大を機会にレストランの経営をやめることに決めた。その時、母はすでに80歳を越えていた。良いタイミングだと思う。

    • 映画『PERFECT DAYS』のレビュー

      1週間無料公開記事です。 『PERGECT DAYS』を鑑賞したのは1月20日なので、もう随分時間が経ってしまったが、ずっと何かしらの感想を書きたいと思っていた。SNSでも今だに感想を見かけるので、その思いを少々募らせていた。 東京都渋谷区の公共トイレ建設プロジェクト『THE TOKYO TOILET』で建築された公共トイレの清掃員が主役の映画である。役所広司が演じる主人公は毎日決まったルーティンがある。彼は、古本屋で100円で手に入る文庫本の読書、休憩や昼食で訪れる神社

      • 色彩の採用と計画の機会

        2023年12月15日にLOVE FMの”スイッチオン!DAYTIME”に出演した際に、パーソナリティーのサチさんとインスタグラムの私のアカウントにアップしている写真の話になりました。 元は写真の構図についての話だったのだけれど、その写真に写っている「黄色い色彩」が気になったそうで、その写真は私が設計を手掛けた戸建住宅のリノベーションで採用した色彩についてだとすぐにわかりました。(ちなみに、その写真は私が撮影したものではなく、竣工写真をお願いした針金洋介さんによる写真です。

        • THE MIRROR/松川ボックス

          1971に竣工し、1979年に建築学会作品賞を受賞した宮脇檀の設計による松川ボックスがアート・ギャラリーとして利用されていると聞いて訪れた。 1960年代から1970年代の前半に掛けて、日本は高度経済成長期を迎えて無秩序に都市開発が進んだ。「日本に都市計画はない」とよく言われるが、他の先進国に比べて計画的に街区が整備された場所は京都や札幌などを除いて、とても少ない。松川ボックスが立地する西早稲田も例外ではなく、東京都は震災復興した隅田川東側を除いて、今も街区を歩いてみると殺

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          体験と知識の並列化

          能古島に拠点を置いて活動していると、行楽地で利便性も高いことから、全国から友人知人が訪ねてくれる。それに甘えているわけではないが、こちらから出向くということが仕事以外では少なくなっていることに気がついた。すぐに市街地に出向くことのできるが、「いつでも市街地にいけるから」と能古島の利便性に甘えてはいないだろうか。 旧・atelierHUGE(現・水谷元建築都市設計室)のウェブサイトを開設する際に「物理的に切り離された能古島に身を置くことによる、客観的な視点を大切にしている」と

          体験と知識の並列化

          加速度的な体現の感覚

          仕事でもプライベートでも、目の前の問題を解決するために考え事をしてしまうことは多い。しかし、考えれば考えるほど問題を複雑にするばかりで一向に解決に向かうこと気配を感じない。 実家や親切のお付き合いで歌舞伎役者とお話をすることが、これまで何度かあり、ある歌舞伎役者から「稽古が本番で、舞台は祭り。」と聞いたことがある。 建築設計の世界にも似たような感覚がある。訪れた街や建築をディテールまで観察したり、読書などを通した先人たちに学んだり、また、日常生活の中で見る風景や行動の観察

          加速度的な体現の感覚

          風景の採集、日常の豊かな風景

          「建築は内部から検討する」と誰が言っていたのか思い出せないが、建築を構想の取り掛かり方は、最終的にすべてを決定するといっても過言ではないほど重要である。大きなカタチ(ボリューム)から構想する人もいるし、その場所での人間の振る舞いから検討する人もいる。 以前はそこそこの性能のコンパクトデジタルカメラを持ち歩いていたが、最近はiphoneのカメラ性能が非常に優れているので、さらに日常的に写真を撮るようになった。 写真は「光」と「構図」と写真家の山田脩二が話していたが、写真家が

          風景の採集、日常の豊かな風景

          梅雨の心象風景と、その源

          デスクワークで忙しい日でも、毎日必ず一度はデスクから離れて近所を散歩するようにしていると、季節の変化に敏感になる。 特に能古島は身近に動植物の息吹を感じるし、博多湾の真ん中に位置していることから海と山をパノラマで眺めることができ、広い空には様々な表情を見ることができる。 毎年巡る四季の風景も覚えているようで、実は結構忘れている。その季節が訪れてみて「そうだ、こんな季節だった。」と思い出す。この日常的な風景から離れ、長い時間が経過した時に生まれるのが『心象風景』なのだろう。

          梅雨の心象風景と、その源

          dot architects『POLITICS OF LIVING』/TOTO ギャラリー間

          dot architectsと家成俊勝さんと赤代武志さん5月18日からギャラリー間(以下ギャラ間)で始まった”ドットアーキテクツ展 POLITICS OF LIVING ⽣きるための⼒学”のレセプションにご招待頂き、展示の内容を拝見してきた。 大阪の北加賀屋を拠点とした身の丈のまちづくり。毎日の暮らしと活動の延長にシームレスに繋がる、超平面系プロセスの建築。日常的なエンタメが建築に昇華されるまでが展示構成されている。ギャラリー間の展示空間を生かした構成と密度の高い展示だった

          dot architects『POLITICS OF LIVING』/TOTO ギャラリー間

          福岡の小規模複合施設のコンバージョン③

          新築とは異なる改修工事の難しさリノベーション(改修工事)は、設計も工事も新築よりずっと難しい。いちから構想可能な新築工事の場合、金銭的条件、法的条件、敷地条件さえ押さえれば基本的には何を作ろうが自由である。 改修工事の場合、床下や屋根裏などの現地調査が可能でも、いざ工事が始まって解体してみると見えていなかった様々な下地や設備の劣化や損傷が発見される。結果、限られた意匠のための予算は工事開始と同時にどんどん修繕費用に吸い取れていく。 提案していた『アクティビティフレーム』は

          福岡の小規模複合施設のコンバージョン③

          能古島の都会的風景ーGWの過ごし方

           個人事業主で独身ということもあり、必要な時に有給を取ったり、出張そのものを旅や友人知人との再会としているため、ゴールデンウィーク(以下GW)に遠方に出掛けることは毎年していない。また、福岡市は観光地としても確立しており、GWに開催される祭り『どんたく』は毎年200万人の動員があることでも有名で、どこに赴いてもたくさんの人でごった返している。  人の多い場所が苦手で、移動や宿泊費も高額になりがちなこの時期は、私は能古島から動かない。また、能古島は福岡市民に親しまれる行楽地と

          能古島の都会的風景ーGWの過ごし方

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          【アートのラジオ #149】建築から考えるこれからのライフスタイル

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          【アートのラジオ #149】建築から考えるこれからのライフスタイル

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          福岡の小規模複合施設のコンバージョン②

          3つの建物をひとつの施設に認識してもらうための工夫商業的な施設の場合、建築はメディアの役割を担う必要がある。オーナーが所有する3つの建物は、木造アパート、鉄骨のビル、実家の木造家屋とそれぞれ異なった形式で意匠はバラバラだった。異なった形式の建物をひとつの建物として運用していくわけだから、利用する側に新しい白金のカルチャーを発信するひとつの施設として認識してもらうために意匠を統一する必要がある。 白金町1023の場合、3つの建物を繋ぐこと、全体の施設と街を繋ぐということが重要

          福岡の小規模複合施設のコンバージョン②

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          【アートのラジオ #95】サイトスペシフィック福岡建築 後編

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          【アートのラジオ #95】サイトスペシフィック福岡建築 後編

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          【アートのラジオ#94】 サイトスペシフィック福岡建築 前編

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          【アートのラジオ#94】 サイトスペシフィック福岡建築 前編

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          福岡市立平尾霊園合葬式墓所

          2019年に福岡市で行われた建築設計プロポーザルで選定された木下昌大さんの主催するキノ・アーキテクツの設計による合葬式墓所。 私も応募した建築学会九州支部主催による建築九州賞の現地審査のために木下さんが来られるついでに現地をご案内頂けるということでお言葉に甘えた。 少子高齢化による人口減少が進む中、全国的に墓所の需要が増えると同時に、親族との繋がりの無さや核家族化によるお墓の管理不行き届きが日本社会の問題になっている。特にお墓の管理不行き届きは問題が大きく、雑草が生い茂る

          福岡市立平尾霊園合葬式墓所