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福岡市立平尾霊園合葬式墓所

2019年に福岡市で行われた建築設計プロポーザルで選定された木下昌大さんの主催するキノ・アーキテクツの設計による合葬式墓所。

私も応募した建築学会九州支部主催による建築九州賞の現地審査のために木下さんが来られるついでに現地をご案内頂けるということでお言葉に甘えた。

少子高齢化による人口減少が進む中、全国的に墓所の需要が増えると同時に、親族との繋がりの無さや核家族化によるお墓の管理不行き届きが日本社会の問題になっている。特にお墓の管理不行き届きは問題が大きく、雑草が生い茂るお墓が隣のお墓にまで迷惑を掛けたり、ひどい場合は墓石が倒れたまま放置されている場合もあるそうだ。そのような問題に対応するために一箇所で管理が可能な合葬式墓所の整備が全国的に広がっている。

建築設計プロポーザルが開催されて、設計者が選定された際には上位入賞者の案が公開されており、応募者数名で飲み会を開催されたことから、他がどのような案を提出していたか知っている。比較してみて木下さんの案で最も特徴的だったのは…

  • 立派に育った樹木が生い茂る小さな山に向かって手を合わせるように祈りの空間(参拝所)が配置されてこと。

  • 祈りの空間(参拝所)を住宅街からの視線から守るように曲線の鉄筋コンクリートの壁で囲み、静寂な空間を作り出していること。

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