映画レビュー(102)「ハロウィン THE END」

今のところの最終話

 殺人鬼ブギーマンことマイク・マイヤーズが再びハドンフィールドを恐怖に陥れた事件から4年、マイケルの凶刃から生き延びたローリー・ストロードは孫娘のアリソンと暮らしながら回顧録を執筆し、40年以上にわたりマイケルに囚われ続けた人生を解放しようとしていた。
 しかし、子どもを死なせてしまった暗い過去をもつ青年コーリーが、4年間、忽然と姿を消していたマイケルと遭遇したことをきっかけに、新たな恐怖が連鎖し始める。
 今回の話は、嫌な奴ばかりが死んでいく「いい気味だ」的な快感があり、少し毛色が違う。ブギーマンも怖い存在だが、その恐怖に煽られた街の住人たちによる、関係者への蔑視や嫌がらせの方が怖かったりする。コーリーがブギーマンを利用して復讐を遂げていく姿は、新しい恐怖の誕生を思わせて、怒りが憎悪に代わり怪物化する様が描かれている。
 ラストは、宗教裁判や異端審問による処刑をも思わせる。ローリーのトラウマたるブギーマンを封じる姿を見守る村の住人たちが、宗教儀式を見守る大衆に見える。

 あの手この手を尽くしてきたシリーズだけに、こうまでしないと終わらせられないのだろうなあ、と思えた。
ハロウィン THE END


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