ブックガイド(132)「CUT 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子」
取り壊しの決まった廃病院で発見された腐乱死体。検死に向かった比奈子たちの前に、病院内の各所から同様の死体が。計五人の死体が物語る異様な殺人者の動機とは?
いよいよ、おなじみのメンバーもこなれて来て快調に物語は進む。
このシリーズでの比奈子と保のコンビ、さしずめ「羊たちの沈黙」のクラリス捜査官とレクター博士だなと気づく。
内藤さんの作品は、「よろず建物因縁帖」でも、うっすらと「ゴーストハント」シリーズ(小野不由美)のキャラクターたちと重なる部分が合って、それでも一つ新機軸(イノベーション)が込められるとちゃんとオリジナリティーは出るんだな、と感心した覚えがある。
今回の第二巻のエピソードを通じて、いよいよ猟奇犯罪捜査班が誕生することになる。その先の活躍は第三巻以降のお楽しみ。
もう三巻目「AID」に突入しています。