映画レビュー(185)「侍タイムスリッパー」
10月3日に観てたけど、まだ書いてなかった(汗)
過去記事でも触れた「拳銃と目玉焼き」の安田淳一監督作品。完成度の高さに皆驚く。これがインディーズ? と。
物語の内容はもうみなさんご存知だろうから書かないけど、主人公が現代にタイムスリップしてきた後、現代に順応していく過程がスピーディで感心した。凡庸な作品だと、これに手間取ってだらだらしたエピソードを連ねてスピード感を殺してしまうからだ。そんなパートは過去の作品ではメインになるだろうが、2024年の現代ではタイムスリップ物のお約束中のお約束、観客はだれも望んでいない。
そして、ラスト。
最後の勝負は、恨みを晴らすではなく、全力を尽くした上での和解。そして、過去の感情の浄化である。時代劇という旧いスタイルへの思いと憧れを語りながら、魂は21世紀なのだ。この素晴らしい同時代性。
拡大ロングラン上映を続ける理由はここにある。