映画レビュー(109)「ブラックシープ」

2007年ニュージーランド映画

これは笑った。ホラーの皮を被ったブラックユーモア作品だ。
牧場育ちでありながらヘンリーは少年時代のトラウマで羊恐怖症になっている。そのトラウマの原因である兄アンガスと農場の契約のため、やむを得ず帰ってきた牧場で待っていたのは恐ろしい事件だった。
兄はマッド・サイエンティストの女性研究者と新しい羊を遺伝子操作で作り上げていたのだ。
ヘンリーと一緒に戦う羽目になるヒロインが、絵にかいたようなヴィーガンのオカルト運動家。凶暴化した羊の群れがゾンビのごとく襲ってくる。
当然、かまれた人間は凶暴な羊人間に(爆笑)。
このような、絵にかいたようなホラーの定石を臆面もなく繰り広げるのだが、そこにはヴィーガンたちへの揶揄や、ホラー映画への苦笑いまで込められている。
第一、襲ってくるのが狼でもゾンビでもなく羊なのだ。ラストは派手な大爆発なのだが、これもまた大爆笑。そんなバカ映画のくせに特殊効果や特殊メイクはよくできていて、手を抜いてない。だからこそ面白いのか。
いや、愉快なホラーだった。
ブラックシープ


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