映画レビュー(188)「べネシアフレニア」
ヴェネチアを訪れたスペイン人観光客が次々と殺害される。その陰には街を外国人から取り戻そうとする秘密結社の存在があった。1970年代“ジャッロ映画”へのオマージュとも言うべき作品。確かにダリオ・アルジェントとか、あの時代のホラーの臭いがする。
今、問題になっているオーバーツーリズムが根底にあり、それを利用してエキゾチックな舞台で観光客の誰もが被害者になりうる恐怖を描いている。
中世のペスト医師とかベネチアン・マスク(仮面)とか、妖艶にして華麗だけど不気味な味わいが上手く活きている。
90分という尺もちょうどいい。いいホラー映画に会えた。
「べネシアフレニア」