映画レビュー(186)「ミドリムシの姫」

2022年公開

駐車監視員はその制服の色にちなんでミドリムシと呼ばれて、ドライバーからは忌み嫌われる存在である。
主人公の野上幸子は、ある過去を抱えてこの仕事についている。プライド高くこの仕事に就いている元教員の知念道夫とバディを組むうちに幸子も仕事にやりがいを持ち始める。
やがて、迷惑系Youtuberのサウザとウルフが、ビューを稼ぐためにミドリムシ狩りを始める。彼らの運命は?
よく練られた脚本で最後まで引っ張られた。仕事に賭けるプロの意地や、過去と向き合う勇気を獲得していく幸子の姿に思わず共感。
ラスト、ミドリムシの姫と呼ばれるようになった幸子の胸を張った姿が爽やかなカタルシスになっている。
ミドリムシの姫

(追記)
通常の人にはなじみのない仕事を通して、成長や気づきを得ていく系のビジネスストーリーは、王道ではあるがやはり面白い。実は私もその手のビジネスストーリーをいくつか書いている。よろしければお読みください。
苦情電話受信という仕事で、アイデンティティを回復していくユーモア小説。

そして、平成三年の第二回ビジネスストーリー大賞(テレビ東京主催/日本経済新聞後援)で佳作入選した作品。


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