ブックガイド(156)憑依作家・雨宮縁シリーズ

シリーズ最終巻

 俗にハンター・シリーズと呼ばれる内藤了の人気シリーズ。全五冊。
 人気推理作家・雨宮縁は、作品シリーズ毎に名前と姿を変えている多重人格的な作家で、関係者からは憑依作家と呼ばれている。
 物語の主な語り手は、彼の担当編集者・真壁。そして縁のバディである謎の青年・庵堂をはじめとするキャラたち。
 各巻で描かれるのはハンターと呼ばれる、奇妙な動機に突き動かされる犯行の連続殺人事件。その背後には、帝王アカデミーと呼ばれる医療機関の女帝・月岡玲奈の影。犯人は精神医療的に心を操作されているのか?
そして縁と庵堂の過去は?
 巻を追う毎に、謎が解け、さらに新しい謎が。という作者得意の手法で、シリーズ一気読みさせられてしまいました。
 縁が作家として事件を思わせるハンター・シリーズを刊行するという、メタ手法も面白い。それで真犯人を追い詰めるのだ。
 内藤了の別シリーズから竹田刑事も登場。藤堂比奈子シリーズと世界を跨ぐ、内藤了ユニバースでもある。


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