ブックガイド(28)「イタリアの夢魔」(渋沢 龍彦)

(2004年 05月 06日 「読書記録゛(どくしょきろぐ)」掲載)

「イタリアの夢魔」(渋沢 龍彦)ランティエ叢書(角川春樹事務所)


 旅というものは、その土地についての歴史等を知っていればいるほど楽しい。ましてやその土地が長く憧れ続けた場所であるならば…。
 碩学・渋沢龍彦が、それもイタリアを旅した際のエッセイである。もともと発表されるつもりの無かった日記である。
 庭や建物や絵画や陽光や風などに想起された、自由に羽ばたく彼の知識に酔えばいい、という本である。
 また、この本の装丁や製本がいいのだ。文庫サイズでハードカバー。かっちりとした堅さと重さが掌に気持ちいい。本当に角川春樹はこういう本を所有する喜びを知っている。
 内容は以下の目次で判断していただこう。

1 シチリアへ
2 ゆがんだ真珠
3 迷宮
4 饗宴
5 イタリア日記

 これを読んで、ますますイタリアに行きたくなった俺である。渋沢龍彦って本当にいかしてる。
イタリアの夢魔ランティエ叢書 (15)

(2023/07/29 追記)
この本に関しては以前ビブリオバトルでネタにしたことがあり、それが動画で残っているので貼っとくね。


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