コロナウィルスとふるさと納税
新型コロナウィルスの影響で、食材(学校給食や観光産業の食材など)が余ってしまい、そのような食材をオンラインストアなどで販売している自治体がある。
自治体はふるさと納税でそのような食品に寄附をしてもらおうとPRしており、
心情として、今年はそういった自治体に寄附をしようかと考えていたときに、
はたと思った。
そういえば、私の自治体は名産品を聞いたことがないけど、何を返礼品としているのだろうかと。
調べてみると、お世辞にも多くの寄付金を集められるラインナップではなかった。
そこで、これは「赤字が出ているに違いない」と思い、ふるさと納税による”赤字額”を調べてみた。
市役所の財務課に問い合わせてみるものの、具体的な数字は得られず、
仕方なく総務省のサイトからデータを確認し、数字を割り出した。
わが市の住人の他自治体への寄付額はおおよそ1億円、一方寄附を受け入れた額はおおよそ7000万円であった。
さらに返礼品やPRの費用、人件費などで3000万円かかっていることから、7000万-3000万-1億円=-6000万円ほどであることが分かった。
わが市は当然地方交付税の交付団体であることから、このうち75%は国が補填し、1500万円のほどの”赤字”になる。
市の財務資料で年々、地方交付税が増えているあたりからも、増え続けるふるさと納税の寄付額と赤字額が市の財政を苦しめているのが分かる。
市の財務課に問い合わせした際に、「この一年で基金が47億→40億と7億円減少しており、かなり苦しい財政状況です」と言っていたのが身に沁みる。
さらには、新型コロナウィルスの影響で本年はさらに財政が悪化する見通しだそうだ。
わが愛知県には、多くの地方交付税の不交付団体がある一方で苦しい台所事情の自治体もある。
ふるさと納税について母が言っていた言葉を思い出す。
「みんながやり始めたら私たちの市はどんどん苦しくなって、結局は自分たちの首を絞めることになる。」
切迫した自治体の財政を思うと、これまで当たり前にしてきたふるさと納税について、改めて考え直す必要があると感じる。
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