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夢を叶えたその後の話


水曜日はネガティブな記事が恒例になりつつある。全部実話です。〇〇はご想像にお任せします。

フリーレンみたいな穏やかなアフターストーリーはない。


1. 小学校

小学生の頃から〇〇が好きだった。図書館で〇〇の図鑑を読み、夏休みの自由研究の題材も〇〇にした。進研ゼミの付録が〇〇関連だったときは、大事に取っておいて何度も読み返した。漠然と、将来は〇〇に関わる大人になりたいなあと思っていた。

2. 中学、高校

中学では勉強を頑張り、良い成績を取ることができた。そのおかげもあって、進学に力を入れている高校に特待生として入学できた。〇〇に関わる仕事がしたいと考え、文理選択もそれを基準に選んだ。このあたりで既に将来の夢は固まっていた。

〇〇の学科がある大学へ行きたくて、毎日勉強に励んだ。経済的にあまり恵まれた家ではなかったため、大学に落ちたら働くんだよと、ことあるごとに母に言われた。国公立を目指すのは絶対だった。

受験期には朝3時に起きて勉強し、学校の自習室へ行って夜まで勉強した。勉強以外のことを極限まで削り落とした生活だった。メンタルは病んだ。その甲斐あって、倍率の高い第一志望の大学になんとか滑り込むことができた。

3. 大学

大学へ入学してからは〇〇関連のサークルに入った。同じ興味を持つ人たちと活動するのは本当に楽しかった。一様に〇〇に興味を持つ人たちと言っても大学や専攻はバラバラで、でも私よりも知識があったり、何かに秀でた人がたくさんいた。私は特に何ができるわけでもなかったから、〇〇の学科に所属することをアイデンティティにしていた。

バイトやサークル、家のことや将来への不安など色々な要因が重なり、大学の単位を落とすことが増えていった。大学の勉強は純粋に難しかった。それまで勉強であまり苦労したことのなかった私は、級友に分からない箇所を尋ねることもできず、授業についていけなくなった。

奨学金と育英会のお世話になっていた都合上留年はできないため、必死で食らいついた。単位を落とした授業の再履修をし、下級生に混じって授業を受けた。同じことを学ぶのは2回目ということもあって単位は取れたが、恥ずかしかった。

サークルの方は、ありがたいことに幹部を任せてもらえた。任せてもらえた、というのは半分嘘だ。自分に自信がなくて、でも周りに蔑ろにはされたくなくて、肩書きを得るためにそうなるよう仕向けた。結果的に思ったとおりになった。だが二人、私に愛想を尽かしたであろう友が離れていった。

役割を得たからには報いねばと張り切った。でも先輩方のように新しいこと、立派なことはできず、組織の現状を維持することで精一杯だった。この頃はずっと誰かに、負い目や引け目を感じていた。〇〇への熱意は既になくなっていた。

研究室は、成績が悪かったため希望のところへは入れず、一番人気のないところに配属になった。研究は好きにはなれなかった。でも、仮に第一希望の研究室でも状況は同じだったのではないかと思う。

4. 院試

大学3年の夏頃から、大学院へ行くための勉強を始めた。大学の図書館が閉館するまで残って勉強した。苦手な英語もずっと継続して勉強し、TOEICの点数は少し上がった。別に勉強や研究が好きなわけではなかった。ただ周りの人と同じように「院進」の権利が欲しかっただけで、モチベーションとしては不十分だった。進学を諦めて就職することは、金銭的な理由に負けたようで嫌だった。ただの意地だ。

4年の夏、院試の結果が出た。結果は案の定不合格だ。内心ほっとした。これで、挑んだけれどもだめだったという格好がつく。正直、研究をあと2年も続けるのは無理だったと思う。

5. 就活

院試に落ちた翌週から、予定通り、就活を始めた。4年の秋のことだ。このときもあまりモチベーションはなく、企業分析や自己分析もろくに行わなかった。とくに興味がある分野はなく、相対的には〇〇が一番興味がある、といった状況だった。

大学に求人票が来ている企業を受けては落ち、4社目で内定が出た。辛い就活が1ヶ月で終わったのは良かった。こうしてあっさりと、「〇〇関連の仕事をする」という夢は叶った。

6. 社会人

最初の一年は、早く仕事を覚えようと意欲的だった。実際、新しい知識を得るのは楽しかった。
だんだんと、終わりの見えない作業が辛くなってきた。残業中、ある時間を過ぎると耳鳴りがするようになった。

それからしばらくして、同じチームの人がメンタルを病んで、そのまま亡くなった。この会社はよく人が死ぬと大学の先生から聞いていたが、まさかこんな身近で起こると思わなかった。死という人生の終わりを意識するようになった瞬間だった。

7. その後

このざまである。↓


8. 現在

夢を叶えた後の人生は長い。
・そもそも〇〇は本当に純粋な夢だったのか。
・私にとって何が幸福なのか。
・これから何を目標にすれば良いのか。
人生を再検討する段階にいる。

確かに言えるのは、自分の望みや好悪を誤魔化さないほうが良いということだ。案外、自分のことを自分でもよく分からないままになっていたりするものだ。自分をよく知り、主体性を持って動くことが大事なのではないかと、これまでの失敗を通して思う。

色々なことを考えつつ、今日もnoteを書く。

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