英検1級1次試験対策方法 (24年第2回受験を振り返って)
昨日英検1級の1次試験の結果が出まして、合格しました。しかしそのスコアが芳しくなく、合格基準点2028点に対して2029点、という彩子さん風に言うとまさに「崖っぷち」の点数でした。生徒や学生だったら、「合格したからいいやん、結果が大事!おめでとう!」と声をかけるのですがプロの教員としては・・・。ま、合格は合格。2次試験は面接なのでこちらはまあ得意なのでなんとかなるかもしれません。自戒の意味を込めて晒します。
一方で、今回の私の得点と勉強法は社会人で学びなおしで1級を受験される方(そんなニッチ市場あるか)に役に立つかもしれないので、効果があったと思われることを記載しておきます。対象は、英検準1級は合格して、1級に壁を感じている方です。忙しいけれど英検で合格したい方に捧げます。
学習時間:
学習期間:8月26日-10月5日 (約40日間)
平日:一日平均30分程度+往復通勤時間(60分程度)
試験2週間前:一日平均60分+往復通勤時間(60分程度)
使用教材:
①英検1級でる順パス単 (ボキャ対策)
②7日間完成英検1級予想問題ドリル
③Japan Timesの記事 (LinkedInでフォローしている記事・図書館にある記事)
④ ChatGPT (英作文対策)
使い方:
①はカテゴリーC(計2400語)まであるのですが、カテA(ほぼ全て記憶)カテB(6割程度)カテC(3割程度)程度覚えての受験でした。
この単語を1日200個程度赤の暗記シートで消して確認するもの。フラッシュのようにとにかく何度も目に通すことだけに集中してやる。通勤中に取り組みました。
②を解くようになってからは、わからない単語→単語帳チェック→付箋つけて確認の反復練習。
③これは気分転換のため。週3・毎回3記事程度で読む。Japan Timesは重要単語やフレーズを丁寧に解説してくれるので超おすすめ。教職系の方はご自分が指導される際も役に立つでしょう。New York Timesもいいけど、難解なものをなんとなく読むより、Japan Timesの読みやすい記事を精読して、知らない言葉にだけ集中しながら読む方が学びの深度は深い。
試験のコツ (reading):
誤解を恐れずに言うと、全部を全力で解かないことです。どういうこと?英検1級はリーディング100分、リスニング35分で構成されており、2時間を超える試験です。全力で解いていると途中で頭が疲れて英語が頭に入ってこなくなる場面があります。(私だけ?)特に、リーディングはメリハリが大切で、語句補充、長文問題空所補充に極力エネルギーを使わないようにします(①②)。
特に①はまず「絶対ないってわかるもの」を省いた上で「一目見てわかるもの」「接頭語などのイメージからイメージできるもの」からだけ正解を選びます。それでも、1問30秒以上かけないことです。
②は極力全文を丁寧に読まない。全体を見渡した上で、質問に焦点をあてて、その対象となるところを中心にスポットで読めばOKです。
①②で体力を温存したら、③は丁寧に。ここが一番難しい。ポイントは「本文の表現が言い換えられているもの(パラフレーズ)」が正解になるケースが多い、です。
④⑤必ず見直しの時間を取ります。それぞれの理想の時間配分は下記の通り。
理想の時間配分:
①短文語句補充:12分 (1問を30秒で解く)
②長文語句補充:15分
③長文内容一致:28分
④英文要約:20分 (うち確認に2分)
➄英作文:25分 (うち確認に3分)
リスニングの先読みに関する考え方:
人によっては、95分で終えて5分をリスニングの先読みに充てる、という人もいますが、リスニングは開始後も先読みの時間があるのでそんなにリスニング意識しなくてOKです。ってか目の前のTODOに集中するのがシンプル。
英作文の対策:
周りに英作文を指導してくれる人がいる方、また英会話等で添削してもらえる方はスルーしてください。ChatGPTを使って英作文力を上げる方法を書きます。
問題集には模範解答が掲載されていますがあまりお勧めしません。なぜなら、このレベルになってくると言い回しやボキャが多様で、自分のあまり使い慣れていない表現が多いので。
ChatGPTの使い方:
①問題集の用紙に手書きした作文を写真に撮ってChatGPTに読み込ませる
→くせつよ筆跡でも結構大丈夫。
②模範解答を読み込ませる(写真でOK)
③プロンプトで指示を出す。
例:Can you check, evaluate and refine my handwriting summary per attached?
すると、手書き文を読み込んで、修正した方がいい文章をポイントで添削してくれます。
例えば・・・
Grammar and Syntax: There are some minor grammatical errors that affect clarity. For example:
“People lives” should be corrected to “People live.”
“Expel the local business” could be rephrased as “force local businesses to shut down.”
“Leads to the loss of local business” should be “leads to the loss of local businesses.”
→急いで書いたから三人称単数のsという初歩的なミスが・・・
また、その添削が難解な場合は
Can you revise it with simpler English, in the level of CEFR LVB2?
のように指示を出します。もっと簡単な、というと曖昧なのでCEFR(英語学習指標)で難易度を示します。
もしくは、何度もこの作業を繰り返しているとChatGPTも作者の癖が分かってくるので
Can you revise the difficult words to the ones matching my English level? (私のレベルに合った英語に直して)というと、なんと、直してくれますし、こんなのもいけます。
Can you revise it again with synonyms (similar words)?
(似た単語を使ってもう一度修正して)
どうでもいいけど、synonymのスペル間違えても理解をしてくれます。
ChatGPTに添削させると、あまり難しくない、自分のボキャレベルと慣れている言い回しに沿った添削をしてくれます。模範解答を読んでなんだかわかったんだかわからないんだかのまま、修正しないで終わるより圧倒的に効果的です。
というわけでスピーキングの練習開始です。