映画『Spider-man3』 in Cleveland
初出;2007年10月12日(mixi)
クリーヴランドのダウンタウンで、子供の銃乱射事件があった。
サクセステック・アカデミーという、この少し変わった高校は、
レイクサイド・アヴェニューの東13番辺り。
私のアパートから車で10分もかからない。
http://www.cmsdnet.net/successtechacademy/Default.htm
今回は、自殺した14歳の白人少年以外に、死者は出ていないらしい。
それがせめてもの救いか。しかし、自殺した少年の魂は既に救いようがない。
思春期にある少年の不安定な情緒が、容易に無差別死傷事件に結びつく条件に、
吐き気がする。
少なくとも今回の事件に関する限り、現場がダウンタウンであることとその発生は無縁だ。 しかし、またこれで、やはりダウンタウンは危険だと、訳知り顔に語る人が増えるかと思うと、
それもまたやりきれない。
その、クリーヴランドのダウンタウンは、実は映画のロケでよく使われる。
『スパーダーマン3』の撮影では、ユークリッド・アヴェニューが使われたようだ。 クリーヴランド在住の人なら、動画を観ればある程度、場所が分かるだろうと思う。
「あの街は危険」、というイメージには、もういい加減、うんざりしている。
デトロイトに行けば、デトロイトが、
クリーヴランドなら、ダウンタウンが、
ニューヨークに行けば、ハーレムの辺りか…
全米1治安が良いとも言われる、小綺麗な街、アナーバーに、
人工的で安っぽい、箱庭の中にいるような、息苦しさを感じる私には、
廃れた高層ビルも、捨てられた工場も、暗がりにぽつんと立つ、ガソリンスタンドも、 その街の、歴史と、現在と、人々の生活と、切り離せない、血の通ったものを感じる。
歴史のない街に、ただ小綺麗なだけの街に、そうした息遣いは、無い。
クリーヴランドを選んで、良かったと思う。