子どもってやっぱりすごい!~動物園で見つけた小さな発見~
今日は妻が用事で外出していたため、子どもたちと3人で過ごす土曜日となりました。
動物園に行った後は、市場に行って食材を買って、帰ってきたら、子どもたちと夕食を作って…という、3人で過ごすときにはよくある土曜日。
そんな何気ない土曜日でしたが、子どもってやっぱりすごいな~と感じたことがあったので書いてみたいと思います。
動物園で見つけた小さな新世界
熱が続いていた上の子の体調が回復し、メスライオンが亡くなったというニュースに触れてから「ライオンに会いに行きたい」と以前から話していたのもあって、昨日から動物園に行くことを3人で決めていました。よく訪れる動物園は、親子三人でのお気に入りの場所。
飼育されている動物やどこにどんな植物があるかも知り尽くし、ご飯を食べる場所も、トイレの場所も把握しているので、すっかり馴染みのある場所です。
動物園でのルートはほぼ決まっています。この日もいつものように、アフリカエリアで動物を見た後、中央広場の新しいトイレによることにしました。
トイレに入った上の子が「あ、鳥さんがいる!」と声を上げました。ふと見上げると、大きな壁に描かれた鮮やかな木と鳥たちの絵が目に入りました。木の柱を幹に見立てたデザインに、南国の鳥が描かれていて、大きな壁全体が鮮やかな壁画になっていました。
何度も訪れているはずの場所で、初めて気づいたその絵。
私は、最近、園舎の建築に関わっていることもあり、「シールみたいなので貼ってあるんだな~」なんて、製作過程を想像しながら見上げましたが、子どもたちは、「ふたりがおしゃべりしているね」とか、飛び立つ鳥を「どこかにおしごとにいくんじゃない」などと言いながら物語を作り始めていました。
子どもが広げる世界
お手洗いにちりばめられた作り手の思い
この出来事をきっかけに、改めて子どもたちが私たちに見せてくれる「新しい世界」に気づかされました。
私にとってお手洗いなんて、用を足すための場所で、長居するわけでも、環境を見る存在でもありません。清潔であれば100点満点くらいに思っています。
そのため、壁面はそれなりの面積がありましたが、白かったとしても、特段違和感を私は感じませんし、気にも留めません。
でも改めて言われて見上げてみると、柱をうまく使った壁画は、この建物に飼育室があるオウムやインコが描いてあり、お手洗いにいても、動物について思いをはせられる素敵な演出になっていました。
そんな感動を胸に周りを見渡してみると、男の子の小便器の足元には、アヒルの足跡が描いてあったり、鏡がミッキーになっていたり…と、子どもたちが楽しめるような仕掛けがいたるところにちりばめられていました。
子どもが教えてくれる彩豊かな世界
道端に落ちているカリンの実の香りや、アオキの実の色づき、何かを道端で見つけるたびに、子どもたちはまるで新種の大発見をしたかのように目を輝かせます。
また、雪虫をそっと手に留まらせて静かに語りかけている姿を見ると、いつもの世界が途端に色づいて見える気がします。
自分だけでは見落としてしまいがちな何気ない風景や物事も、子どもたちの視点を通じて見せてもらえることで、途端に彩を放ち始めるものだなと気付かされました。
大変さばかりがクローズアップされるけど…
子育てには確かに負担や大変さがあります。
今日も相変わらず洗濯物を私のペースで畳めず、ぐちゃぐちゃに畳んだものを「ありがとう」と言いながらもう一度畳みました。
動物園では私の帽子を取って勝手にかぶっているし、後半は常にどっちかを抱っこする羽目になりました。
夜ご飯だって、子どもたちが一生懸命手伝ってくれますが、すぐに飽きるし、調合をお願いしたポン酢を作るための醤油や酢を飲もうとしたり、柚子の中身をきれいに食べちゃったりします。
モノの取り合いでは兄弟げんかをすぐするし、注意すると「お母さんがいい!」と大泣きするし…。
それでも、子どもたちと一緒にいると、今生きている世界を、何倍も豊かに見せてくれます。
今日見つけた壁の絵も、子どもたちと一緒だからこそ気づくことができたものでした。特別な場所ではなくても、子どもたちと一緒に過ごすことで、いつもの場所が新しい輝きを放つ。そんな瞬間を共有できることが、子育ての醍醐味だと感じます。
いつもの場所で広がる新しい世界
どこにも旅行に行っていないのに、いつもの動物園で新しい世界に出会える。こんな豊かなことって、大人だけで見つけにくいものです。
子どもたちと過ごす時間を通じて見えてくる世界の彩りは、私にとってもかけがえのないものです。
忙しい日々の中で、ふと立ち止まって子どもたちの視点を大切にすることで、日常がさらに豊かで色鮮やかなものになる――そんなことを実感した土曜日の一日でした。