![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156002215/rectangle_large_type_2_a4250f002d7ba89383b2666426751f29.png?width=1200)
絵本を繰り返し読むことで育つ、子どもの新たな発見と読解力
繰り返し読む「3匹のヤギのガラガラドン」からの学び
寝る前に絵本を読んであげる光景は、どの家庭でもよく見られるものです。私の家でも、ご多分にもれず、子どもたちに絵本を読んであげています。
最近、下の子が特に気に入っているのが「3匹のヤギのがらがらどん」です。ここ数週間、毎日毎日、繰り返しこの絵本を読む日々が続いています。
「3匹のヤギのがらがらどん」のあらすじ
「3匹のヤギのがらがらどん」は、古くからあるお話で、読んだことがある方も多いでしょう。
簡単にあらすじを紹介すると、3匹のヤギが山へ行くためには、川にかかる橋を渡らなければなりません。その橋には「トロル」という怪物がいて、ヤギたちは順番に橋を渡っていきます。最終的には一番大きなヤギがトロルをやっつけ、無事に橋を渡り終えるという物語です。
繰り返しの読書で気づく子どもの視点
この物語は昔から大好きですが、下の子が特に気に入っているため、最近は毎日のように読んでいます。
正直、私は同じ展開に飽き飽きしてしまっています。しかし、読んでいるうちに、子どもの独特の視点や発見に驚かされることがしばしばあります。
たとえば、物語が始まる前のページにはヤギが水を飲んでいたり、走り回っていたりする絵が描かれているのですが、そこに「トロルが隠れているのかな?」と考えたり、「水を飲んでいるね」「遊んでいるね」など、細かい点に気づくのです。また、トロルがやっつけられるシーンでは「痛いかな」「水がかかっちゃったね」などと、トロルの気持ちに共感するコメントも。
さらに、トロルが初めて登場するページでは、私はトロルにしか目がいかない場面でしたが、子どもは「ヤギが泣いているね」と、トロルを見るヤギたちの感情に注目していることに驚かされました。
私自身、何度もこの物語を読んでいたのに、こんな細かな部分に気づいていなかったと反省させられます。
読解力の育成と絵本の関係
少し話は変わりますが、よく保育現場で「文章を上手に書くにはどうすればいいですか?」という質問を受けることがあります。
以前は「本や新聞を読むといいですよ」とアドバイスしていましたが、最近読んだ本で、数学などは訓練で点数が上がるが、読解力は簡単には上がらない。そして、読解力がないと、他の教科でも何を問われているかわからないので、結局応用問題は解くことができないということを読みました。
確かに、文章の書き方について説明するときに、正しい文章と間違った文章を比べさせても、どちらも違和感がないという保育者が多くいます。
文章力や読解力を上げること自体が難しいと感じていたので、読解力を上げるのが難しいというのには納得です。特に、何が書かれているか理解できないままでは、いくら文字を読んでも読解力が向上しない、というのは確かにその通りです。
そんなことを考えていた時、ふと、子どもと一緒に絵本を読む中で新たな発見をしました。それは、たくさん読むことや早く読むことよりも、深く読むことが大切だということです(速読に対抗して、勝手に深読(しんどく)とでもしておきましょう)。
絵本を深く読むことの重要性
絵本は、単に文字を覚えさせるための道具ではなく、子どもが新たな世界観に触れる機会であり、感性を豊かにするためのものです。
それ以外の目的を持つのは少し邪道な気もしますが、子どもは、繰り返し読むことで、絵本の絵のすばらしさやキャラクターの感情、さらにはそこに隠されたメッセージを読み取っているのです。この絵本を楽しんでいる時間にも、子どもの中では文字に書かれていない部分をしっかりと感じ取る力が育まれて行き、それが読解力の基礎になっていくのかもしれません。
私自身、繰り返し同じ絵本を読むことに少し飽きていましたが、子どもと一緒に新たな視点で深く読み、絵本の世界をもっと楽しんでみたいと思うようになりました。
子どものペースで繰り返し読むことの大切さ
皆さんも、子どもに絵本を読み聞かせる際、たくさんの本を正確に読むことに気を取られず、子どものペースで、同じ本を何度も対話しながら読むことを大切にしてみてはいかがでしょうか。同じ絵本を繰り返し読むことで、新たな発見や感動が生まれるかもしれません。おすすめです!