マガジンのカバー画像

ママはコミュニケーションお化け

8
幽霊になったお母さんと神社に住み着く娘のウララの話 現在、小説本文を書いてます。一区切りついたら、挿絵を差し込んでいこうと思います。
運営しているクリエイター

#書斎

ママはコミュニケーションお化け 第三話

20年 10月18日 「ええ、ええ、遠~い親戚の子で…」 「本当にまぁ、可愛い子ですねぇ。リンゴのようなお目々でべべは雪だるまのように。お参りするに廃殿さまなのか麗ちゃんなのか、そげん楽しみありますわ」 「そうですねぇ、皆さんに良くしてくれて、あの子も楽しんでますよ」  ウララが来て3日目。  神社に据え付きの児童館にて、近所じゃちょっとしたアイドルになっており、先程の浦木さんなんかは日に何度もウララを見に来るほどだ。  本当は、何か面倒事にならないように隠しておきたいの

ママはコミュニケーションお化け 第四話

「資本」  10月20日  今日も日がな一日、アルバイトの千代さんが境内の掃き掃除や参拝客の対応をしつつウララの世話をしてくれた。そして、6日かけてやっとこさといった塩梅で、日が暮れた頃にひと部屋を片付けた。  私は、寝室に行こうとするウララを呼び寄せて、例の部屋の前まで連れて行く。 「私のために部屋を…?」 「ああ、そうだよ。まだ少し埃っぽいが幾日風を通しておけば…好きに使って構わないよ」 「そうか、あの本たちはここを開けるために移してたのだな!」  ウララは、そろ

ママはコミュニケーションお化け 第七話

「下問を恥じず」  10月24日 「新入生だってね、女の子らしいよ」 「見たぜ、雪だるまみてぇな奴だった。金髪だったぜ。」  と、ざわつく教室に噂の人が先生に連れ立って入ってきた。 「今日から、幼年組に入ることになったうららさんです。皆さん、よろしゅうしてあげてくださいね」  はーい、と一同は声を張った。 「席は、一番奥で。あとは、わからないことがあれば都度まわりに聞いてみてください」  ウララは、奥の席へスタスタと歩くのだが、周りの視線が熱い。  清田さんに買っても