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アイドルだった時のことなんていつか全部忘れちゃって、翳りのない気持ちでステージを観られるようになりますように なんて そんなの最悪

ライブに行くのなんて自傷行為だよ 
息できないくらい泣いちゃうし、存在しなければよかったと存在し続けたかったを行き来して、痛くて、でもきっとアイドルが好き


どうしようもなくて手放してしまったものが、今更、じゃなくて時が経つほどになぜか増して愛おしくて痛くて堪らないです

もちろん普段の生活でずっと考えているわけではなくて、そういう意味では感情は薄れているんだけれど、ふとした瞬間、ステージ、メンバー、みんなに繋がる鍵になる何かを目にしてしまった瞬間身体に穴をぶち開けられるみたいな感覚は今の方が大きい



だから、全部忘れちゃうか、全部なかったことにして、昔みたいに純粋にライブを楽しめたら、痛くなくて悲しくなくて幸せなのかな、なんて思ったりもするけれど、でもこれはあの頃の私を肯定したり応援してくれていた人たちにとってはそれを無下にされるようなメッセージとなってしまうのかもしれない

じゃあいっそ出会わなければ、なんて今更もう言えないんですけどね
私たちは既に出会う世界線に生きてしまっているのだから
それぞれどこかで出会ってくださったあなた、どうしたってやっぱり有難う


出会ってしまった、人生が交わってしまった、同じ時間を過ごしてしまった、そしてそれまでの繋がりがある日音を立てて千切れてしまった、なりに、
なりにってなんだ
どうしようもないよ どうしようもない


私はアイドルじゃなくて、アイドルはアイドルしてて、私がもう歌えない歌を歌ってて、私たちが笑顔にできなかったひとを笑顔にしてて、私はステージの下の人間で、
苦しくないわけないじゃない

だってアイドルが大好きだったんだから
そのアイドルに、なれちゃったんだから
たった一年五ヶ月で、死んじゃったんだから



久しぶりに元姉グループのライブに行ったわけだけれど、開場前に私たちを応援してくれていた方が他の方に私たちのことを紹介してくれた時間、苦しくて情けなかったな
私たちが過去のもので、刻々と変わりゆくシーンにとっくのとうに忘れ去られている存在だって、改めて突きつけられた気持ちだった

(同時に、覚えていてくれている方が何人もいるのが、本当に本当に嬉しかった 私はみんなの人生が健やかになるべくよくいってほしいと願って祈っている し、話しかけたり周りに紹介してくれるのも有難いし、逆に気を遣ってそっとしておいてくれた方もいるんだろうなって思うからそれも有難う)

ライブを観ていても、どうしても「自分」が入り込んでしまう
透明な鑑賞者になれない
ステージで光を浴びてのびのびと動いて輝くあの子達、薄暗いフロアで棒立ちで見上げる私、どうしても、対比してその絶対に超えられない境界線に、苦しくなってしまう


もういいんだよ
歌は苦手だし、おしゃべりも苦手だし、「お知らせがあります」「やめないでー」みたいなお決まりのノリも分からないし、思ってもない歌詞を歌わなきゃいけないのも苦手だし、私ってあらゆる面でアイドル、向いてない

向いてないってわかってるのに、どうしてこんなに痛くなってしまうんだろうね

分からない

ただ、ライブ中は息ができなくて手が痺れて視界が霞むくらい涙が出てきて、ライブの次の日はなんにもできなかった


いつになったらアイドル後遺症は治るんだろう

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