それでもアイドルが好きだよ

好きと宣言し続けていないと嫌いになってしまいそうなひとやものもあれば、
好きなはずなのに苦しくなるから逃げてしまいたくなるひとやものもあって、

憧れは眩しくて、自分が暗いところにいるほど眩しすぎて、自分の惨めさが浮き彫りになるようです。
救済させて絶望させて、全部一人でやっていると考えると、なんて無益な営みなのだろうと滑稽に思えてきます。観客のいない安い一人芝居です。
目を覆って耳を塞いで背を向けて、本当に好きだから、そこに嘘はないから、だから私がもうちょっと大丈夫になるまで、もうちょっとだけ待っていて、と、心の中で叫んで、言い聞かせて、誰もお前を待ってなどいないのに。分かってる。いや、私は分かってない。

下克上も青春も恋愛も、うざいうざいうざいうざいうざいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
私を置いていかないで 全ての輝きが、全てのキラキラの尾が、私を孤独にする。お願いだから今は、黙っていてくれ 

スポーツ漫画を読んで努力で何かを成し遂げた気になって、恋愛ドラマを見て大切な人を命がけみたいに愛して愛された気になって、青春アニメを見て誰かと心を通わせて傷つきながらも確かに踏み出しているような気になって、アイドルを見て肯定されて救われたような気になって、(アイドルを見る私とアイドルとして見られる私は全く別の意識を持っていて、私は肯定するし救いたいんだよ)
過去から今までの自分の人生の欠落を、飢えを、忘れ物を、今更取り返そうって掻き集めたものはどうしたって全部フィクションだ。フィクションで自分の人生を補完して、それって何が楽しいの?満たされるの?それでいいの?って

幸せになった気になった1秒後、暗い画面に映る自分の醜さに思わず狼狽えてしまう。

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