【無い映画レビュー】『3000回大嫌い』『ハイドマン』『リーガルマインド 炎の裁判官』【part1】
こんばんは。灰澄です。
この記事は、灰澄のyoutubeチャンネルで配信した【映画雑談】無い映画紹介part1【初見歓迎】で紹介した存在しない映画のあらすじ等を掲載したものです。
この記事で紹介する作品、人物を含む全ての内容は存在しない虚構のものですので、ご承知おきの上ご覧ください。
無い映画のビジュアルとして掲載している画像は全てフリー素材(AI生成画像を含まない)を使用して灰澄が作成したものです。
それではどうぞ。
『3000回大嫌い』(2020)
『3000回大嫌い』(2020)
主演:パク・ソンヒ / キム・サヨン
監督:テ・ジュヨン
≪紹介≫
韓流アイドルの次世代新星が夢の共演!
ベストセラー作家がメガホンをとったニュースタンダードラブコメ。
二人が恋に落ちないと世界が滅びる!?商社で同僚として働くテグとソンヒは顔を合わせる度に喧嘩するほど仲が悪い。運命の神様たちが総出で二人をくっつけようとするが、何度生まれ変わっても必ず不仲になってしまう。果たしてテグとソンヒは恋に落ちることができるのか!
韓国発世界一不仲なロマンチックコメディ!
≪感想≫評価3.8点 / 5点
かなり面白かった!テンポが良く、無駄なシーンが無いし、楽曲も良い。ラブコメとして笑えるシーンが沢山あるし、全体を通してオシャレかつポップに進行するのでずっと飽きないで楽しめる。その一方で「運命とは何か? 人は何を選択して生きていくことができるのか?」という普遍的な問いに正面から答えようとするシリアスな面白さもあった。小説原作というだけあって、視覚的な面白さだけでなく、語る場面ではしっかりと語る作品だと感じた。youtubeにアップされていない監督インタビューでは、監督の癖のある人柄が垣間見えてとても面白い。主題歌のMVではダンスシーンと作中の場面が交差する演出があり、MVだけ見ても映画を観たような充足感がある(無い)。減点ポイントがあるとすれば、二人がいがみ合うコミカルなパートからクライマックスへの転換が若干唐突に感じた点。それもテンポの良さと思えばマイナスではないし、1時間半弱の尺で描く上では仕方ないとも思う。
『ハイドマン』(2020)
『ハイドマン』(2020)
主演:ヴェルター・フリーマン
監督:ヴェルター・フリーマン
≪紹介≫
人間が突然変異する「変異病」の発生により混乱していた世界は、変異者を恒久的に隔離する法律の制定により、秩序を取り戻しつつあった。アルコール依存性の治療を受けていたフランクは、離縁した妻に引き取られた娘との面会を目指して再起の人生を歩み始めていた。しかし、ある日、フランクは自身に変異病が発症しつつあることを知る。フランクは影に身を潜め、変異者であること隠しながら娘を見守り続けたいと考える……。
人間のエゴと尊厳を問う、社会派サイエンスフィクション。
≪感想≫評価4点 / 5点
かなり好き!奇しくも『3000回大嫌い』とも共通するテーマのある作品だった。あらすじやビジュアルだけ観る一見ホラーっぽさを感じるが、そういう雰囲気の作品ではない。監督自らが主演の低予算映画であるものの、世界観の作り込みや画面構成、BGMなどの演出によって安っぽく見えない工夫がされている。「ルールが順守された社会でこそ人間は人間らしくいられる」という、規定への尊重を基盤に、「自分の人間性にとって一番重要なものがルールに反していたら?」というシリアスな問いを簡潔な物語の中で描くストイックさを感じる。視覚面でSFやホラーの要素を感じようとすると肩透かしだと思うので、日本版のコピーと邦題は正直適切ではないと思う。「人間性とは?」「自ら選び取るという行動の是非」という問いを、ドイツ映画らしい重厚な空気感と、ドキュメンタリーと錯覚するような切実なリアリティの中で語る、腹の奥に余韻を残すような読後感。
『リーガルマインド 炎の裁判官』(1988)
『リーガルマインド 炎の裁判官』(1988)
監督:ブライアン・スコット
主演:ジョナサン・ペイター
≪紹介≫
復讐の裁判官が帰ってきた!前作から3年、裁判官に復職したマッケンジー判事が、卑劣な悪に正義の鉄槌を下す!裁判官の権限強化と凶悪犯罪の厳罰化を定める新法の成立により、ニューヨーク州の犯罪率は激減した。しかし、マッケンジー判事の判決により服役していた犯罪組織の幹部が司法取引で釈放されようとしていた。法の裁きに慈悲は無い!地獄の底に木槌の音が鳴り響く時、悪を業火に焚べる炎の裁判官が正義を執行する!
≪感想≫評価3点/5点
本当にくだらないけど、これが大好きな人の気持ちも分かるし、正直めっちゃ好き。ハードボイルドの教科書として有名な前作の余韻を全てぶち壊す謎の突き抜け方をしている。ずっと声出して笑いながら観ていた。「正義とは何か」をシリアスに問いかける前作の葛藤がまるで無かったことのように、「これが正義だ」と迷いない鉄槌を振るうマッケンジー判事の清々しいまでの越権行為が「理解しよう」と思って観る者の思考を粉砕していく。観た後に浮かんだ最初の言葉は「裁判官って何だっけ」。後に州知事として活躍する(しない)ジョナちゃんことジョナサン・ペイターの黒歴史であり、根強い人気を担保する怪作。
ちなみに本作を降板したブレナー刑事役のエドガー・レイノルズが主演の『リーガルマインド3』という映画が存在しないが、本作及び前作とは全く無関係の映画(原題は『Breaking Law』という『Regal Mind』ですらない)であり、日本の配給会社の悪ノリのような作品。
下記に公開当初の映画雑誌に記載されていた(いない)書評と(存在しない)前作のあらすじを引用します。
≪前作の書評≫
前作『リーガルマインド 法の行方』はハードボイルドドラマとして高い評価を得た名作である。しかし、本作は荒唐無稽なストーリーと安っぽい演出が目立つ駄作で、低予算ながらも丁寧な作りだった前作とは比較にならない。主要キャスト(ブレナー刑事役:エドガー・レイノルズ)の降板や二度にわたる脚本家の変更といったトラブルを経ながらも完成にこぎつけた意欲以外に評価する箇所が見当たらない。
≪前作『リーガルマインド 法の行方』あらすじ≫
ブレナー刑事により検挙された犯罪組織の幹部をの裁判には、捏造の証拠された証拠が含まれていた。捏造証拠の不採用が決定打となり、幹部は無罪判決となった。その翌週、ブレナー刑事の家族が犯罪組織の手にかかる。
責任を感じたマッケンジー判事は自らの手で犯罪組織の幹部を裁こうとして、ブレナー刑事に止められる。ブレナー刑事には裁判官を続けるよう説得されるが、自身の正義を信じられなくなったマッケンジーは裁判官を辞職する。
「法は人のためか、正義のためか。その二つが矛盾してしまった今、私の正義を裁判所に見い出すことは難しい」
以上となります。
いかがでしたでしょうか? 観たい作品は見つかりましたか?
この企画は今後も継続していきますので作品視聴の参考にしないで頂けると嬉しく思います。
記事を先にご覧になった方は、是非配信アーカイブも見てみてください。肉声で虚言を吐いています。
それでは、次回の記事や配信でお会いしましょう。
※繰り返しますが本記事の記載内容は全てフィクションであり、配信内のネタです。