「楽しい催眠の会」の話
「楽しい催眠の会」とは、催眠術師の十文字幻斎氏を中心とした、催眠術をネタに楽しく盛り上がろう、という会である。
会の参加者は、催眠術を体験してみたい人、催眠術を習得したい人、催眠術を見てみたい人など様々。
何でこの会を知ったのかは忘れたが、2016年の秋、この会に参加した。
十文字幻斎氏は「閃光の催眠術師」の異名を持つ有名な催眠術師で、よくテレビ等にも出演されている。
幻斎氏のHP(https://phantomcross.com/)より拝借。
水曜日のダウンタウン等にも出演されているので見覚えがある方も多いのではないだろうか。
開催場所は銀座のカラオケ店のパーティルー厶で、50人くらいは集まっていた。
幻斎氏のような、明らかにそれっぽい風体の人が何人はいたが、僕を含めほとんどが「市井の人々」といった感じだった。
まずは幻斎氏から開会の挨拶があり、会の趣旨や催眠術とはなんぞやという内容が語られた。
話が少し逸れるが、僕自身は催眠術に肯定的である。幻斎氏も言っていたが、催眠術はそれほど胡散臭いものではない。詳しくはWikipedia等を参照いただきたいが、僕の解釈としては、「強い思い込み」である。
催眠術を掛けられたから手が開かなくなるのではなく、催眠術師の言葉をきっかけとし、対象者が自分の手は本当に開かない、と強く思い込んだからこそ開かないのである。
試しに手をグーパーして、手が簡単に開いたり閉じたりするのを確認したあと、今度は手を握ったまま「この手は絶対に開かない」と念じながら自分の手を見つめてもらいたい。この時、できるだけ「手が開かなくなった状態」以外のことは考えずに。
手は開くだろうか? もちろん手は開く。
ただ、開くのにほんの少し力が必要だった人がいると思う。「この手は絶対に開かない」と念じることで自然と手に力が入り、普段より手を開くのに意思の力が必要になる。
万が一、億が一にも本当に手が開かなくなった人のために
「あなたの手は、あなたが3秒数えたのち、いつもように開きます」
幻斎氏曰く、催眠を掛ける人はそれを解く義務を追うとのこと。
「楽しい催眠の会」に戻ります。
会はまず、幻斎氏が全体に向けて軽い催眠を掛けるところから始まった。
実際は催眠と呼べるほどのものではないのだが、これがなるほどと思わせてくれた。人体の構造上、誰であってもそういう動きをしてしまうのだが、あたかも幻斎氏の催眠術によってそうなってしまったかのように錯覚し、この時点で参加者の多くが、幻斎氏に対して催眠術師としてある程度の信頼を抱く。
幻斎氏曰く、催眠術で重要なことは、術師と対象者の信頼関係である。信頼している人間に言われる言葉だからこそ、信じて思い込むことができるのだろう。
次は定番の手や足が固まる催眠があった。残念ながら僕はこれ以降の催眠には掛からなかった。
幻斎氏本人に「君は(簡単には)掛からないタイプだ」と言われ至極残念だった。
催眠術を信じていて、掛かりたいと思っている人間であっても、例えば「この人はどうやって自分に催眠を掛けるのだろう」といった感情が術師の暗示を上回ってしまうと、簡単には掛からないそうだ。予備催眠をすれば話は別だそうだが、今回はカジュアルな回だったので、簡単に掛かる人を対象にパフォーマンスが進められた。
ちなみに、テレビで一瞬で催眠に掛かるのは、催眠が掛かり安い人を選んで、裏で時間を掛けて予備催眠を行っているからだそうだ。
手足が固まったり、手が勝手に持ち上がって下がらなくなるような、ショー的な催眠術が行われ、催眠に掛かった人の中から希望制で更に強い催眠を掛けることとなった。
対象者はカップルの女性で、感情に働きかける催眠が行われた。
幻斎氏がテレビでよく見る感じて数を数えると、女性がガクッと眠りに落ち、催眠の言葉を掛け、起こす。
目覚めた女性は、目の前にあるカラオケ店備えつけのドリンクバーのコップが彼女にとって何よりも大切な存在になってしまった。
幻斎氏に促され、彼氏が彼女の手からコップを取ろうとすると、もの凄い勢いで拒否されてしまいとても可哀想だった(この会で一番面白い場面だった)。
そんなこんなで幻斎氏の出番は終わり、あとはアマチュアの催眠術師による練習会が個別に行われたり、参加者同士で談笑したり、催眠の前に信頼を得るきっかけとなるマジック道具の実演販売等があり、会は終始楽しい雰囲気で終了した。
「楽しい催眠の会」は今も定期的に開催されているようです。
直近だと今週末にやるみたいです。
興味のある方は是非幻斎氏のホームページの下部から参加申し込みください。
幻斎氏のHP(https://phantomcross.com/)
おしまい