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アート系の電子工作素人が、シンセサイザーキットを組み立ててみた。-ノイズトースター編-


こんにちは。
廃店長こと、HAITENこと、DJねこちぃねこちぃです。
久々に長文を書いてみます。

今回はアナログシンセサイザーキット「ノイズトースター」の組み立てレポートを書かせて頂きます。


そもそも電子楽器を何故作りたくなったのか?


1年ほど前にシンセサイザーを使って曲を作るようになりました。
既存のシンセサイザーを鳴らしてる内に、更に「自分で作った」という感覚が欲しくなり、0から電子楽器を作るのを目標にするようになりました。

私は本職エンジニアでもなく、工学の学校にも通ってない、ばりばりアート系の人間です。
なので いきなり0から作るのは厳しいと思ったので、キットから制覇する事にしたのでした。

ノイズトースターの材料


ノイズトースターのキットはこちらで購入出来ます。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-12334/

次に、ノイズトースターのはんだ付けで必要なものです。

私は有識者に大半借りてますが笑
必要なものは 以下の通りです。


●はんだごて
温度調整が出来、こて台付きのものを絶対おすすめします。
私のは200~500度のものです。

●はんだ(ヤニ付き)

●ヒートクリップ
熱に弱い部品に使用します。
部品のリード(足)に挟んで使用します。

●はんだ吸い取り線
はんだを間違えた時に使用。
はんだ吸い取り器を使う人もいます。

●ワイヤーストリッパー
ワイヤーの被覆を剥く時に使用。
ニッパーでやる人もいますが、こちらの方が秒で出来るのでおすすめです。

●ニッパー

●ラジオペンチ

●マスキングテープ
はんだ付けする時に部品が基板から動かないようにする時に使用。
私はテープのべとつきが基板に影響あるとよくない気がしたので、極力 基板の表面に貼りすぎないように貼ってました。
人によっては練り消しでやる人もいるようです。

●クリップ付きスタンドルーペ
基板を浮かせないと、はんだ付けしづらい場面がよくあるので、その時はこちらを使用します。

●テスター
導通チェックしたい時に使用します。

●はんだ吸煙器
はんだの煙を嗅ぐのはあまりよくないみたいなので、こちらを起動させるのと、換気扇を付けておくのが安心です。

●ワイヤー
私のやり方が悪かっただけかもしれませんが、配線の時 キットのワイヤーだけでは足りなかったので。
何色でも効果は同じなので、何色を購入してもOKです。

●絶縁テープ
部品と部品が接触しそうで怖い時は、こちらを貼り付けて接触を防ぎます。

●ケース
ケースはキットにないので、自力で組み立てるか、合いそうなサイズを探す必要があります。
10センチ前後ぐらいの奥行があるものが丁度いいと思います。

はんだ付けを全くやった事がなければ、以下の本もあるといいと思います。
私はこの2冊と、youtube動画で覚えました。
電子工作ハンドブック3 ハンダの達人
ド素人のためのオリジナル・エフェクター製作

*人によっては、熱収縮チューブや、フラックスを使うようですが、私は使いませんでした。

ノイズトースターを作る前にやった事

まずは簡単そうなキットではんだ付け練習しました。

はんだ未経験で ノイズトースターを一発で成功させるのは、100%無理だと思います。

ノイズトースターを目指す はんだ未経験の方は、まずは配線プリント基板のはんだ付けが出来る簡易キットで練習するのをおすすめします。
この2つの技術が必要になるので…


▼ 配線の練習は、タッキーパーツのエフェクターキットがいいかと。
現地点では3000円のエフェクターキットが1番安いです。
https://www.takkyparts.com/kit/


▼ プリント基板の練習は、秋月通商のアンプキットでやりました。
1000円もしない、安いのが沢山あります。
https://akizukidenshi.com/catalog/goods/search.aspx?search=x&keyword=%83A%83%93%83v%83L%83b%83g&image=%8C%9F%8D%F5


▼ 私は未購入なのですが、aitendoも安価なプリント基板キットが豊富です。
https://www.aitendo.com/product-list?keyword=%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%88&Submit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2

はんだに自信がついて来たら、いよいよノイズトースターへ…

ノイズトースターの制作手順

部品の数が多すぎるので、まずはキット付属の部品表を見ながら、上記のように仕分けをしました。
紙に部品名を書き、部品名の下に 該当する部品をマスキングテープで貼り付けてます。

↓ 抵抗の仕分けは以下を参考にしました。
http://mokei-ya.la.coocan.jp/colorcode.html

仕分けが終わったら、背の低い部品順に 基板にはんだ付けしていきます。
基板の表面に部品名が書いてあるので、これ通りに挿せば問題ありません。

紺色の電解コンデンサとトランジスタ、チップソケットは向きがあるので気を付けて下さい。
紺色の電解コンデンサはリード(足)が長い方が+なので、基板に+がある方に+のリードを挿します。
緑色の電解コンデンサは無極性なので向きは気にしなくていいです。


トランジスタと電解コンデンサは 、ヒートクリップを部品のリードに挟んではんだしました。


ワイヤーとオペアンプ以外を 基板に はんだ付けしたものがこちら。

オペアンプは熱に弱いので、この地点では取り付けません。
最後の最後で取り付けます。

人によりけりかと思いますが、私はワイヤーはこの地点では はんだ付けしてません。

次に、パネルにトグルスイッチやボリューム、モノラルジャックなど、ペンチで取り付けられるものを取り付けていきます。

▼この取り付け作業での補足

●トグルスイッチ(上記写真の赤い部品)は、側面にある銀色の文字が小さい方を左にして取り付けます。
*パネル表面から見てではなく、裏面から見て左です。

●ボリューム(下記写真の丸いタコみたいな部品)は、キットの説明書通りの向きで取り付けるのではなく、パネル表面に印刷されている目盛りと合うように取り付けます。
時々説明書通りに取り付けると、目盛りと合わない事があった為です。
(私のだけかもしれません…)


パネルにペンチで取り付けられる部品を取り付けたら、いよいよ配線です。

パネルに取り付けた部品に、配線図を見つつ ワイヤーを配線させます。

▼配線図はこちら
http://musicfromouterspace.com/analogsynth_new/NOISETOASTER/images/noisetoasterwiring3.gif


上記の配線図に関する注意点

①配線図左上のモノラルジャックと、右下のX21&S10の部分は、キット説明書の方が正しいので、キット説明書通りに配線して下さい。

②配線図にある黄色い長方形の部分は、ワイヤーの片方はパネルの部品にはんだして、もう片方は基板にはんだします。
ワイヤーが短いとこの作業が困難になるので、この部分のワイヤーは少々長めにして下さい。
私は20cmぐらいにしました。


▼パネル配線のやり方ざっくり

①ワイヤーを切る
②ワイヤーストリッパーでワイヤーの先端を剥く
③剥いた部分に予備はんだをする
④ワイヤーを剥いた部分と、パネルにある部品とではんだ付けさせる

上記の写真は3分の2ほどパネル配線したものです。
このパネル配線が、最もエグかったですね…

配線の数が多すぎて間違えそうだったので、私は配線図をコピーして、配線した部分を赤ペンでなぞりながらやりました。

パネル配線では ダイオード、LED、電解コンデンサ、抵抗など、ワイヤー以外のパーツも配線させます。
抵抗以外は、ヒートクリップを使用しました。

*LEDは+(リードが長い方)をX23と配線します。
*配線する緑色の電解コンデンサは無極性なので、各リードの配線はS7の真ん中でも下でも問題ありません。


↓ パネル配線の完成図がこちらです。

配線がありすぎて、こんがらがりが止まりませんね…
手ごわい敵でした。

これが終われば あともう少しです。

パネルにはんだしたワイヤーで、基板と繋げなければならないワイヤーが30本前後あると思います。
これらを配線図を見つつ、基板にはんだ付けしていきます。

この作業も数は多いですが、パネルはんだよりは楽かと思います。
たまにワイヤーが基板の穴に入らなくて叫びたくなる事もありますが…

基板にスピーカーのワイヤーもはんだ付けします。
スピーカーは白と黄色の2本のワイヤーが、白いプラスチックでひとまとめされてます。
私はこのプラスチックを切り取り、黄色ワイヤーを基板のX26、白ワイヤーを基板BNにはんだ付けしました。

基板にすべてのはんだ付けが終わったら、オペアンプ3つを取り付けます。
オペアンプは少し足を曲げないと入らないかもです。

電源の電池もこの地点で入れました。

付属品のつまみを取り付けるとこんな感じ。
つまみは簡単に取り付けられます。


これで 電子工作作業は終わりです。
早い人は早いと思いますが、私はここまでやるのに2週間ほどかかってしまいました…
この労力を経験したら「機材高い」とは言えなくなりますね…


ここまでやったら、あとはデザイン要素のみです。

私はケースもパネルもつまみも、メタリック塗装しました。

塗装が乾いたら、基板とスピーカー、電源をケース内に入れて、ケースにパネルを乗せます。
*乗せる前に、部品と部品が接触しそうなど、危ないと思った部分は、絶縁テープを貼っておくといいと思います。

ケースにパネルを乗せた状態がこちら。

シンプルかつインダストリアルな退廃感があるものにしたいと思い、こうなりました。
JMT Synthみたいな何が起きるか分からない感じがありますね…
理想の出来で大満足です。


動作してみたのがこちら。

好みのノイズ音を出してくれるので、今後の曲作りに大いに役立ちそうです。

つまみなど全部反応してますし、モノラルジャックでも出力出来たので、恐らく問題ないかと。
完動品の状態が分からないので、完動品と比較したいですね…

大変でしたが、キット界の一角を崩せたような爽快感が得られてよかったです。

恐らくこれが出来てしまえば、海外のモジュラーシンセ モジュールキットも難なく出来るのでは、と思います。


工学出身ではないアートどっぷり人間の私でもここまで出来たので、電子工作未経験の方も 是非挑戦してみて下さい。


また大物が出来たら執筆します。

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