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和痛分娩がすごいって話
玉を切り開きできた子の生誕
先月、自分の子供が生まれた。
以前何度か書いたが、わざわざ自分のあれを切ってまでできた子である。
妻のお腹が大きい間も色々あったが、今回は妻が選択した和痛分娩というのがめちゃくちゃ良かったという話を書く。
和痛分娩ってなによ
色々な人に怒られそうだが、自分は全く無痛やら和痛やらを調べる事なく、和痛分娩にすることが決まった。
私が知っている無痛分娩関連に関する知識は、ほぼほぼ全て、峰なゆかの『わが子ちゃん』によってもたらされたものである(めちゃくちゃ余談だが、わが子ちゃんは子供を考えている男は一度読んでみたほうがいい。めちゃくちゃ尖っているので全面的に賛同はできないけれど‥‥)
それによると、価格は10万円くらいらしい。
SNSでは日夜「出産の痛みはスイカを鼻からだす痛みだ!」「男なら耐えられない!」と嘘か真かよくわからない投稿が数え切れぬほどあるわけで、そんな痛みを避けられるなら10万円くらい安いものである。
なので、妻が里帰りをする前から「無痛でいいよね?」「いいでしょ」という話をしていたし、それができる病院に通っていた。
しかし、妻から「完全無痛ではなく自然和痛分娩ってものにするらしい」と言われた。何よそれ、と思い自分で調べたが、和痛分娩と無痛分娩というのはどうやらあやふやなもので、同じようなものらしい。
ただ、無痛分娩は別に完全に痛くなくなるとは限らないらしいので、和痛と呼んだりすることがあるというだけのことのようだ。
なので、重要なのは和痛と無痛の違いではなく、自然と計画のところらしい。
自然と計画
今回、妻がしたのは自然無痛分娩というものだった。これは単純に陣痛が来たら病院に行って、麻酔を入れてもらって産むということだ。
しかし実はこれ、できる病院が全国的にもかなり珍しいらしい。
普通は計画無痛分娩といって、分娩の日取りを決めておいて、陣痛を人為的に起こさせてから産むらしい。
これのどちらが良いか悪いかは結構賛否両論があるようだけれど、基本的には自然分娩でやったほうが良くても、現実問題麻酔科医が足りないなどの問題で計画無痛分娩しかできない、という問題があるらしい。
なのでたまたま自然陣痛を待って無痛ができるというのはかなりありがたい病院だった。
また、土日や深夜に陣痛がきたら麻酔科医がいないから無痛はできないということもあるらしいが、そちらの病院は多少値段が上がるがいつでも無痛にできるということで、土曜の早朝に陣痛が来たうちの場合は本当に助かった。
和痛分娩の威力
当日、早朝から陣痛が始まり朝病院に行ったわけだが、結論からいうと和痛分娩の威力は凄まじかった。人生で一番有意義な10万円の使い方だった。
当日、私が病院についたのは昼頃だったのだが、その頃にはすでに麻酔も効いており、妻はベッドの上で管こそ繋がれているものの、飲み物を飲みスマホやタブレットを触り、痛みもなくリラックスした状況だった。
世の中では妻が陣痛に苦しんでいる間は、妻も地獄だし旦那も地獄といったようなことがよく言われているが、和痛分娩なら全くそんなことはない。お互いやることがなくて本を読むか雑談をするかくらいで、非常に和やかな時間が流れる。
分娩室に入ってからはもっとすごく、色々あってするつもりはなかったのに立ち会い出産をすることになったのだが、妻は全く痛みもなく、適度にいきみ、30分ほどでスルッと生まれたこともあって体へのダメージは本当に限られたものだった(スルッと生まれたのは妻がたまたまそうだっただけで、和痛分娩とは関係がない)
隣の分娩室からは普通分娩の妊婦さんが泣き叫ぶ声が聞こえていたのに、妻は私が途中で「何かしてほしいことある?」と聞いても「んー特に。ビデオちゃんと撮っといて」といったものである。和痛分娩は凄い。この時の旦那の対応次第では今後一生の夫婦仲を悪化させることすらあるという噂なのに、妻に余裕があるのでそんなことには一切ならない。
分娩室から出てからそれ以降の回復も凄まじく、そもそも痛みで苦しんだり叫んだりしていないから体力の消耗がかなり抑えられていて、ダメージが圧倒的に少ない。産んだ日と翌日こそ立ち上がったりするときに手を貸したりしたが、2日後からはちょっと歩き方がたどたどしいものの別に何に困ることもない。
妻が退院するまで私も病院に一緒に寝泊まりできたので一緒にいたのだが、2日目からはもはやただいるだけで、別になんの役にも立たない人である。ミルクを作る以外にやることはほぼない。ただ仕事をサボっているだけである。
やはり、出産の時の諸々が原因で夫婦仲が悪くなるというのは、出産の極限状態で妻に余裕が全くなくなることと、イマイチ温度感が掴めていない夫のギャップが生むのであろうと思う。峰なゆかが書いていた通り、10万円なんて妊娠期間毎月1万円貯めておけば出せる金額なのだから、そのくらいするのは夫の義務くらいの気持ちでいたほうが良いと思う。