ママ美容師の葛藤。どんなときでも、記憶に残る接客をし続けたい。
こんばんは。いよいよ本格的な冬到来ですね〜
東北は冷たい風と、どこか懐かしい冬の香りを感じる今日この頃ですね。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
娘も保育園に無事入園し、先生の腕の中で満面の笑みで身を委ねている娘をを見ると、
一緒にいれなくなる時間を寂しく感じていたのは、私の方だったのだなぁと改めて気づかされたりしました。
今日はですね、実はずっと書きたいなぁと思っていたママ美容師の葛藤の思いをブログにしたいと思っています。
美容師だけでなく、接客をされるお仕事をされる方にはあるあるのお悩みなのかなと。
そして、このブログを読んだ方の一人でも、気持ちが軽くなってくれたらいいなぁなんて思ってこのブログを書きます。
私自信、臨月〜育休をはさんで今まで半年間、
美容人生の中で、実は初めてこんなにお客さんと離れることになりました。
今まで何度かお店が変わってしまったりということはあっても、ずっとついてきてくださるお客様がいたりして、なんだかんだ2ヶ月以上会わないこと、お客様の髪を切れないことってほとんどなかったんですよね。
久しぶりの再開の目処が立つと同時に足を運んでくださった多くのお客様。そして「おめでとう!おかえり!」と言ってくださる方もたくさんいて、産休明けから今まで、ありがたみを感じる毎日でした。
そんな日々を過ごしながらも、あのお客様にお会いできてないなぁと感じることも。
実は私、毎月お客様に会えてたから、そこが少し日常というか、また産後すぐ会える!って思い込んでしまってたんですよね。
でも半年という月日は、あっという間のようでどこか長く、その間で私自信もお客様の生活も大きく変化していることに、産休明けでぐっと気付かされたりしました。
産休中に、
お客様の転勤が決まったり、
素敵な美容師さんに出会った人もいたり、
タイミングがなかなか合わせづらくなった人もいたり、
思った以上に体力が落ちてしまって美容室に通えなくなってしまったお客様がいたり。
様々な理由で、
お客様の日常も変化していたりします。
友人にすら、毎月会うって難しいのに、
色んな忙しい日常を送っている方がここのお店にくるという思いを持って、時間を作ってくれていて、そんなお客様のおかげで私は毎月会えていたわけで。
美容師って、定期的にお客様に毎回会えるって奇跡のような仕事だったんだなぁと改めて。
産前、散々エールをもらっていた私、
産後こんなに元気な赤ちゃんが生まれました!ってみなさんにすぐに報告できるものだと思い込んでました。
でもそれって当たり前じゃなくて。
こんなに山ほどある美容室の中で、ソワレを見つけてくれて、
そして気に入ってくれて、足を運び続けてくれていたからこそ、色んなお話ができていたわけで。
あれがお客様に会う最後だったとしたら、私、応援されるだけじゃなくて言いたい言葉たくさんあった!と思っていたりします。
ずっとずっと応援していただいて、ここまで成長する私をみててくれてありがとうございます。とか
いつもファッションの話楽しかったです。とか
いつも経営のこと教えてくれてありがとうございます。とか
そのお客様によってかける言葉送る言葉って違うと思うんですけど、
もっと全力で産前もお礼しておけばよかったって思いが溢れる毎日です。
そんな中、ある一人のお客様からメッセージをいただきました。
「すっかり顔をだせなくなってしまってごめんね。
あれから私も近所の美容室に行くようになってしまって、
すっかり髪も短くなってしまったけど、
まいちゃんと過ごす時間は楽しかったなぁといつも思い出しています。
仙台に行くことがあれば、また顔を出すから、またいつかね。」
という文章。
涙が止まらなくなりました。
そのお客様は住んでいる場所も遠く、朝にいつも新幹線に乗って毎月会いにきてくださっていました。
ご両親の介護が大変になってしまったりというお話しも聞いていたので、そわれにきているときだけは、その方が大好きなファッションのお話しをしたり、思い切ったアシンメトリーなかっこいい髪型にしてみたり、少し非日常の瞬間を味わって欲しくて。
産休明けも勝手にまたすぐ会えるものだと思って娘の写真を見せながら、今度はまた子育てについて色々教えてもらいたいな〜なんて思ったりしていました。
でもきっと新幹線に乗らずに近所で素敵な美容室に出会えたのなら、それはすごく幸せなことで。
その中で、こうしてあのときの共に過ごした時間を楽しかったなぁと思い出してもらえることが幸せなんだなぁと思えました。
生活が大きく変わるママにとって、
守る命が一つ増えた以上、今までの働き方とはどうしても変わっていくのが現状です。
今までのようにお仕事終わりに通ってくださっていたお客様などにもぐっと会えなくなってしまったりしました。
会いたいお客様に会えない現実に、苦しく、どこかもどかしく、どうにかできないものかと葛藤する日もありますが、
お客様にとって、どこか素敵な美容師さんにまた巡り合えていたり、
こうして「あの美容室に通っていた時間、楽しかったなぁ〜」と誰かの記憶の中に残る接客ができていたらそれでもいいのかなと、最近は少し気持ちを落とし込むことができるようになってきました。
だからこそ、今も一人一人しっかりその時間を大切に、お客様に向き合っていきたいって強く思います。
今会えているお客様、会えていることは奇跡。
通ってくださっていることはもっと奇跡!
いつ会えなくなるかわからない。
その思いを改めて知ったからこそ、
またママになって、ひとつ強くなれた気がします。
その瞬間、瞬間に感動のある接客を。
私、お客様のこと何十年たっても忘れることってないと思っていて。
だからこそ、会えなくなった方もいつか
ふらっと久しぶり〜!
と立ち寄ってもらえたらと思っています。
ごはんやさんだって色んなご飯食べたくなるように。
一生に一度しかない人生、色んな出会いがあって当然なわけで。
でも最後にあの味を懐かしんで、ふらっとたちよってみる。
みたいな感じで、思い出してもらえたら嬉しいな〜と。
そのためにも、私も成長しますから、
いつかまた、お会いしましょうね。
でもきっと、そのときは私、思い込みあげて泣いちゃうかも。
失客とかそんな簡単な言葉では表せない、ふかーいお客様への思いがママにはあることを知りました。
同じ思いを抱えている人、絶対たくさんいるはず!
だからこそ、そんなママ技術者を雇っている会社があるとしたなら、どうか責めないであげて欲しい。
きっとお客様を失って悲しいのは会社以上に、ママ本人なはずだから。
家庭が軸になる生活を選ばないわけにはいかないママの葛藤が、そこの裏には絶対にあるから。
産後、色んな思いを抱えていた私でしたが、
一つのシンプルな考えにたどりつきました。
みんながそれぞれ幸せな場所にたどりついているとしたなら、
それはそれでいいことなんじゃないかなぁと。
私は、ここで今自分にできる最大のことをしよう。
お客様の記憶に残る接客をし続けよう。
そんなことを思って今日は久しぶりのブログ更新でした。