迷路
夢に見た景色
何度も同じ道を歩いている
廃墟のベッドには飲みかけの薬と水
そこにたどり着くと
ひどく安堵して強い眠気を感じる
瞼を閉じて意識を手放すと
再びはじまりの道に戻る
石畳を歩く
靴の音が響く
色素の薄い唇が笑みを形づくる
艶消しの表紙がロウソクに照らされている
漂白されていない音が私の背筋を冷やす
駆り立てられるように歩みを進めざるを得ない
花籠は朽ちた
私は口を閉ざす
この迷路から出なくてはならないのだから
まるで楽園のような悪夢から
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?