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39pater
ギルド
必要とされた
だから
必要とした
そんな始まり方だった
誰かと争うつもりなんて
微塵もなくて
好きなことをして
その時間の中に
誰かの話があることが
どうにも安心できて
そんな居場所が
ずっとあったらいいのにって
そうして 生まれた場所
いつしかこの声は
日常会話から状況報告に
そして命令になって
士気になった
必要とされたのが
うれしかったから
うれしかったのに
違和感を
不安を
寂しさを
塗りつぶすように
声を言葉を
重ねた
だって
私は
どうせ
私は
必要とされたから
やっぱり
うれしかったから
誰か一人でもなく
全員でもない
私が作り上げた 虚像
迎え撃つ敵は
私
その先に
誰一人として
残らなかったとして
君ですら
刃を向けたとして
必要に応じてくれた。
それだけで
殺されてもいいんだよ
君になら