排気口新作公演『暗愁行尸』が終わったの巻。
排気口新作公演『暗愁行尸』の全公演が終わった。暗愁とは「いい知れぬうれい。そこはかとない、悲しい物思い」を意味し、行尸は「生きた屍」を意味する。その2つの熟語を合体させて今回の作品を『暗愁行尸』とした。どのような想いが、どのような形で、どのような不穏さで、作品として立ち上がったのか、台本と演出をした私にしては、昨日終わったばかりなのか、とんと見当がつかない。今は取り急ぎ感謝を記そうと思う。
難航した台本作業。8月から非常に執筆ペースが落ちてしまい色んな方にご迷惑をおかけした。連日の睡眠不足からなる奇行&深酒に対して時に温かく時に厳しく接してくれた私の周りにいる友人たちに感謝を。
全てのホラー小説に。それから『スクリーム』の冒頭、『リング』の冒頭にも感謝を。そこには来るべき恐ろしさの前の夏の高揚が、美少女の躍動がある。
エナジードリンクに感謝を。特にモンスターエナジーの白色。眠眠打破の不味さにも感謝を。永遠の焦燥をプレゼントしてくれるカフェインに愛を込めて。
クーラーそしてコンビニの異常な冷房の効かし方にも感謝を。劇場近くの味が薄くなった中華料理屋にも感謝を。
不眠症のトムとジェリー、暗がりの廊下、錠剤、インターネット、ショッピングモール、The Smashing Pumpkins 「Today」のイントロとMV、夏の子供たち、スカート、ワンピース、蛍光灯、ゲリラ豪雨、点滴、電脳荒廃、人が写り込んでいるリミナルスペース、踏切、復刊ドットコム、ストロングゼロ、ハイボール、キンミヤ焼酎、高度資本主義、売春性、サザンオールスターズ、福山雅治時代のジェットストリーム、全ての不貞行為から発生する真正の快楽をフェイクなエモさにすり替える為に存在する漫画、ドラマ、映画に映り込む美しいネオンと昏い街並み、『僕だけのマドンナ』の小泉孝太郎、『ビューティフルライフ』の渡部篤郎、窓辺、日差し、フライパン、体温計、お酒をご馳走してくれた方、これから私にお酒をご馳走してくれる方、永遠、一瞬、鬱で出来た半ダースのシガレット、全てに感謝。そして愛を込めて。
公演関係者そしてご来場頂いた皆様には感謝と慈愛で出来た見えない花束を。
皆様の穏やかさを祈って。怖いはもう終わり。だから大丈夫。残りの夏は暑いけど楽しいことばかりさ。