気にしない。気にしない。真夜中になっても。死んでも。

 排気口新作公演『暗愁行尸』の台本販売の為に作業をしている。連日の労働三昧の合間にやっている。なんとか8月中にはこの排気口noteで販売できるように頑張っている。

 販売する台本は公演時から台詞も変わっている箇所が多々ある。観てる分にはいいけど、読んでみると意味の分からない箇所などは修正している。削った台詞を復活させたりもしている。新しく台詞を足しているところもある。より『暗愁行尸』という作品が目指した訳の分からない不穏さを台本と言うテキストの形でも表現出来るように作業している。

 また大量の注釈も付いている。元ネタや引用した作品を明記していたり、シーンや台詞の意図、稽古場での裏話など、作品の邪魔にならず、けれどもより分かりやすくを目指している。真面目な注釈から、くだらない注釈まで。これを読めば『暗愁行尸』のほぼ全部が分かります!!

 ただでさえ複雑で矛盾に満ちた断片の集合体の様な今作品。是非とも案内書にして決定版の販売台本『暗愁行尸(完全版)』を。晩夏さらなる不穏と不吉でもって夏を終わらせよう。クーラーの温度を高めに設定し始める季節に。

 それにしても約3年振りの台本販売である。その間にいくつかの長編を発表したがどれも販売していない。久しぶり過ぎて緊張までしている。

 台風で来れなかった方にも、キャンセル待ちだった方にも、色んな理由で劇場まで来れなかった方から、観に来た方まで。みんなが楽しめて、より不穏で不吉な場所へ誘われる様な。そんな販売台本を目指しています。

 今日の夕方、相対性理論がインターネットに残した宝物こと『相対性理論『たまたまニュータウン (2DK session) 』を聴いて私は夏の終わりを確信して、淋しくも魅惑的な秋の足音を聞いた。

 気にしないことだ。公演が終わって少し、今もだが、疲労やストレスで精神的に不安定な日々が続いているでも。気にしないことだ。気にしなければいいのだ。怖いもそうだ。幽霊がいるかもしれない。気にしない。背後に誰かがいるような気配がする。気にしない。そうすれば怖くない。

 全部、気にしなくていいんだ。「忘れる」じゃない「気にしない」

 でも全部を気にしなくなった人は怖い。電車の中で煙草を吸う人を時たま見つけるが、あれは全部を気にしなくなった人だ。気にしないは無敵になれるが、無敵じゃない人には恐ろしい。

 昨日、街でめちゃくちゃ怒鳴っている人を見た。でも周りの人達はまるでそんな人がいないような素振り。気にしない。私もそうして怒鳴っている人の横を通り過ぎようとした。気にしない。バッと肩を掴まれた。それから「見つけた」あんなに怒鳴っていた人はものすごく静かにそう言った。気にしてなかったら聞き取れないほど静かに。

 私は「死んでしまいたい」という声を聞きました。気にしてない様な素振りで。

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