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俳句「黒文字の花」
黒文字の花咲き初めぬほつれほど
茶道では和菓子用の箸や楊枝の材としてなじみの木だが、実際の木にお目にかかることは少ない。まして早春に咲く花を見たことのある人は、お茶をやっている人でも少数ではなかろうか。わが家の木は、父が山仕事をしている人からもらってきてくれたものだ。茶会のとき、何度かこの木の枝で菓子楊枝をつくったことがある。削り立ての黒文字の楊枝はなんとも言えないよい香りがする。
花は、直径5ミリほどの小さな花が数輪から十数輪まとまって咲くので、遠くから見るとそれが一輪の花のようにも見える。だが、ごくごく咲きはじめ、一輪、二輪の蕾が開花したときには、黄色いリリアンの端がほつれたようだ。