短歌「星の光」
糸などはありやなしやと星となり瞬く人を見上げたりけり
その葉書は昨年の8月31日に届いた。学生時代のサークルの同期の女性のご主人からだった。5月8日に58歳で彼女が亡くなったとの知らせだった。5月の始めに亡くなって、8月の末に訃報をしたためるまでのその期間が、ご主人のこころの整理の時間にも思われて、胸中を察するに余りあった。
運命の赤い糸ということばがあるが、結婚する男女でなくとも、人と人は糸で結ばれているような気がする。どちらかが亡くなれば、その糸は切れるのだろうか?
私は切れないと思う。まだ糸はつながっていて、糸電話をするように、死者とも気持ちを通い合わせられると思う。星の光とは亡くなった人との縁の糸なのではなかろうか。